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その日私たちは-胆振東部地震の教訓

(6)公共施設 防災拠点の役割果たす

2019/3/11配信

 普段、スポーツ大会やイベントの会場、トレーニング施設として市民らに利用される苫小牧市総合体育館(末広町)。地域で大きな災害が発生した際には、支援物資を保管したり、振り分ける拠点となる。

 実際、昨年の胆振東部地震では、発生から2日後の9月8日、指定管理者の都市総合開発(苫小牧市)は、災害支援拠点として施設を開放するよう市の要請を受けた。

 結果的にその役目は回ってこなかったが市は当初、船で送られてきた支援物資を厚真町まで届ける中継基地となり、物資を振り分け、保管する場所として想定。本州から応援に駆け付ける電力会社関係者の臨時的な宿泊施設にもなる予定だった。

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 今回の地震では、メインアリーナの天井の窓ガラスが割れ、破片と天井に吹き付けられていた建材が落下するなど、体育館自体が大きな被害を受けたが、ゆっくりと受け入れ準備をしている余裕はなかった。

 市の要請を受け、すぐに職員総動員で危険箇所がないかを調べ、同アリーナの一部を除く全面を保管場所として確保。裏口玄関を含め、荷物運搬作業に支障が出ないよう、万全の状態で開放できるよう努めた。柔道場には畳を敷き、100人ほどが寝泊まりできる体勢を整えた。

 鎌田順一館長(29)は「公共施設を管理している以上、やらなければいけないというイメージはあった」としながら「初めてのことだったので、実際にうまく動けたのかは分からないのが本音」と打ち明ける。

 即座に各所への職員配置を行ったが先を読めず、情報も二転三転。現場が混乱する場面もあった。緊急時とあって、普段より多めの人員を投入したものの、「正直なところ何もできず、電話の前で情報を待つしかなかった」

 市内でも比較的停電の復旧が早かったことを考えると、指定管理者として「携帯電話の充電器貸し出しなどもう少しできることがあったのではないか」と反省する。

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 一方で、自らも被災者という立場で、公共施設としての役割を果たそうと職員たちは奮闘した。

 鎌田館長自身も揺れが起きてすぐに現場で被害状況の確認に奔走し、発災から1時間もたたないうちに市に報告。近所のマンションで断水が発生したため、給水を求めてやって来た人にも柔軟、迅速に対応した。

 消防訓練を重ねてきたこともあり、「職員の防災に対する意識づけはある程度はできている」と自負。同地震の1カ月ほど前にも訓練を行っており、動き出しの部分では一定の手応えがあった。それでも、2月21日に震度4の地震があった時には、「冷やっとした」。天災は忘れた頃にやって来る。

 「指定管理者として、大きな災害が起きた時には常に速やかに動けるようにしたい」。同地震発生から約半年を機に、防災拠点としての役割を果たすことを通じて、住民を災害から守る決意を新たにしている。

(石川鉄也)

(おわり)

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