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支笏湖日記

火山の大噴火で札幌軟石できる 石蔵や公共施設の建材に用いられる

2017/11/10配信

 「札幌軟石」をご存知ですか。明るいねずみ色をした石材で、千歳のワイナリーや栗山町の酒蔵、札幌市資料館、小樽運河の倉庫などの外壁に用いられているので、名前は知らなくても目にしたことのある人は多いのではないでしょうか。

 「ちょっと待って。支笏湖日記でどうして札幌の石の話?」と思われた方もいるかもしれませんが、支笏湖と札幌軟石は切っても切れない関係があるのです。

 さかのぼること4万年以上、支笏湖誕生のきっかけとなった支笏火山の大噴火が発生、カルデラと呼ばれる巨大な穴を形成しました。その際の火砕流はすさまじく、札幌から千歳、苫小牧、白老まで丸ごとのみ込んでしまったとされています。高熱を帯びた火砕流は地中でだんだんと冷えて固まり溶結凝灰岩という岩石になるのですが、これこそが軟石なのです。

 札幌市南区の石山緑地はかつて軟石の採掘が行われていた場所で、高さ10メートルを超える迫力ある露頭と軟石を生かした野外彫刻を楽しむことができます。それにしても支笏湖から20キロ弱離れたここまで火砕流が押し寄せたというのは想像を絶するものがあり、自然の力にはあぜんとしてしまいます。

 採掘された軟石は、かつては前述した石蔵や公共施設の建材に用いられました。今でこそ石造りの建物は少なくなりましたが、最近は温かな風合いを生かした装飾や、植木鉢、コースターなどの小物として人気があるようです。

 そんな札幌軟石、実はビジターセンターでも石畳として使われているのですが、その紹介をする展示がありませんでした。支笏湖が生みの親ともいえる軟石をどうにか紹介できないものかと考えていたところ、軟石の採掘を行っている辻石材工業さんのご厚意により切り出された軟石を提供していただきました。館内にコーナーを設けて展示していますので、ぜひ触れてその風合いや歴史を感じてみてください。

(支笏湖ビジターセンター自然解説員・小野寺裕太)

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