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むかわ竜-全国デビュー

(上)「一つの奇跡」大発見に 新種の可能性極めて高く-第一発見者と町の思い

2019/7/10配信

 むかわ町穂別地区で見つかった国内最大の恐竜全身骨格化石「むかわ竜」(通称)。恐竜博2019(7月13日~10月14日、国立科学博物館=東京)前の壮行会として位置付けた完全版大公開イベントが6月29、30の両日、同町道の駅「四季の館」で開かれ、実物をイメージしてつくられた全身8メートル、高さ4メートルほどある迫力満点の全身復元骨格=レプリカ(複製品)=が初めて一般にお披露目された。

 会場には2日間で3927人の来場者が訪れ、その迫力満点の姿に見入った。「うれしいよね。むかわ町のPRにもなるし、ありがたいことだ」と話し、様子を静かに見ていた人物がいる。同町穂別在住の堀田良幸さん(69)。むかわ竜の化石の第一発見者だ。

 穂別博物館から車で夕張方面に向かって10分ほどの場所にある、むかわ竜の化石が見つかったとされる稲里の化石現場。2003年当時、化石を手にした堀田さんは「最初、ワニがモササウルスに尻尾をかじりつかれ、傷が付いていない箇所だと思っていた。まさか恐竜だとは」と振り返る。その8年後、専門家が調査を重ねて「恐竜」と断定。一つの奇跡が一本の線になってつながった。

 そんなむかわ竜が今、まさに注目の的になっている。現在北大総合博物館の小林快次教授を中心とする研究グループが調査を進めており、骨の比較研究を経て「むかわ竜は新種の恐竜である可能性が、極めて高い」と発表。学術誌に論文を投稿しており、採用されれば正式に新種と認められることになる。そうなれば全国だけではなく、世界にも注目される。

 むかわ町としても、恐竜化石を生かしたまちづくり推進事業、恐竜を核としたツアー開発、マーケティングの実施など地域再生マネジャー事業を復興計画原案に掲載。同町恐竜ワールド戦略室担当者は関係人口や交流人口を拡大するチャンスと捉え、「むかわの知名度がアップし、観光客が増えるなど目に見える効果があれば」と期待する。

 堀田さんは「正式に(新属新種の恐竜と)決まれば各地の研究者がむかわ、穂別にも来る。うまくいってほしいし、町の活性化にもつながれば最高なことだ」とほほ笑んだ。

    ×   ×

 13日、東京都内で「恐竜博2019」が開幕し、むかわ町が誇る全身骨格化石「むかわ竜」がいよいよ全国デビューを果たす。町のPRだけではなく、昨年9月に発生した胆振東部地震からの復興のシンボル的な役割を果たそうとしている。関係者の期待の声などを聞いた。

むかわ竜の軌跡

・2003年
 穂別在住の堀田良幸さんが尾の骨の入った岩の塊を発見。穂別博物館に寄贈したが、当時はクビナガリュウ類の化石と判断され、収蔵庫に保存。

 

・11年
 クビナガリュウを研究する東京学芸大学の佐藤たまき准教授が「恐竜の骨では」と指摘。国内恐竜研究の第一人者でもある北大総合博物館の小林快次教授(当時准教授)が恐竜の化石であると鑑定し、「ハドロサウルス科」の草食恐竜と推定。

 

・13~14年
 第1次、2次にわたる発掘調査が行われ、頭の骨を含めたほぼ全身の骨格を回収。

 

・16年
 化石発見者でもある堀田氏の意向も確認した上で、総称を「むかわ竜」とすることに決定。

 

・17年4月
 岩の塊から化石部分を取り出すクリーニング作業が終了したものを並べ、全長8メートルを超える全身骨格であることが判明。

 

・19年6月
 小林教授を中心とする研究グループにより、骨の比較研究などからむかわ竜が新種の恐竜である可能性が「極めて高い」と発表。

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