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令和に輝け-千歳・恵庭

(2)子供たちを優しく包む 市任用初の男性、性別「気にしない

2019/6/8配信

千歳市立認定こども園つばさの保育教諭・井上重幸さん

 「子供は大人を写す鏡。すごく周りを見ていて、いろいろなことを感じている分、丁寧に関わりたい」と千歳市花園にある認定こども園つばさの男性保育教諭、井上重幸さん(30)は語る。市が2011月に採用した初の男性保育教諭だ。ブロック遊びの場面では周囲に自然と男児が集まり、体に抱き付いて、おんぶをせがみ「先生大好き」と言う子も。園の人気者だ。



 北広島市出身。千歳高校を卒業し、北翔大学で幼稚園教諭、小学校教諭のほか、独自に保育士の資格も取得した。これまでも、千歳市の保育士採用試験には男性受験者はいた。だが、現在も井上さん以外の採用には至っていない。

 子供と関わる職業を選んだのは、高校生時代に保育資格を持つ伯母の子供向け絵画教室を手伝ったことがきっかけ。その中で「子供と関わることが楽しかった」と振り返る。

 認定こども園や幼稚園などでは、教諭が園の行事やお誕生日会などの場面でピアノを弾く機会は多い。そのため、大学の授業でピアノを習ったが、演奏経験はなく、五線譜も読めなかった。夢の実現に向け、長期休み中にも学校に通い、友人たちに教わりながら習得。「ピアノはものすごく苦労した」という努力家だ。

 就職前後では、男性であることを武器に、園のお父さんのような存在になれたら―と気負っていた時期もあった。だが、「先生たちそれぞれにキャラクター(性格)がある。母性が強い男性やその逆の人がいても良いでのはないかと思う」と性別の壁は気にしなくなった。「僕は子供に対し、優しく包み込むような関わり方をしたい」と笑顔。

 職に就いて9年目を迎える。園児たちに我慢する力や人を思いやる心を身に付けてほしいからと、上から教え込む方法は取らない。試行錯誤を繰り返す中で、自らのやり方が良かったのか振り返ることもたびたびだと言う。「むしろ反省点は(新人の頃より)増えた」と努力を惜しまない。

 昨年春には、自身も一児の父になった。今年4月からは、わが子を他の園に預けて働く保護者の一人。親にとって「自分の子供は何より大切」。そんな宝物である子供を「ほかの保護者たちは、今までこんな気持ちで預けてくれていたんだと身に染みている」と気を引き締める。

 子供が誕生してからは、妻を支えたい―と育児休暇も積極的に取得した。これまで、女性だけが家事や育児をするという意識はなかったものの「仕事にかまけ、任せてしまっていた時期もあった」と反省する。実際に自分も参画し「こんなにやることがあるのか」と驚いた。育休を取得した間の経験で「何をどのようにしたら(妻が)助かるのかが分かるようになったことが大きい」と話す。

 同園では、昨年度のPTA役員10人が全て父親が務めるなど、男性の積極的な育児参画が目立つ。井上さんは、母親が一人で仕事や家事、育児の全てをこなす「ワンオペ育児」の機会が減ると、気持ちにゆとりを持って子供に接し、家族の幸せにもつながると考える。「お父さんたちと、もっとこども園を盛り上げる輪を広げていけたら」と展望している。

(高野玲央奈)

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