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ウトナイ湖サンクチュアリレンジャー通信

はるかな旅で人々をつなぐ オオジシギなどの夏鳥

2018/6/1配信

 見上げた空の一点からズビャーク・ズビャーク・ババババ…という音が聞こえ、小さな姿が見えてくると、目を凝らしていた人々から、わぁっと歓声が上がりました。

 音の主は夏鳥の「オオジシギ」。冬の間過ごしていたオーストラリアから6000キロ以上を飛んで、子育てのために日本へ渡ってきたのです。

 ちょっと変わった音“ズビャーク”は鳴き声で、急降下の際、尾羽が空気抵抗で震える音“ババババ”と合わせ、このようにダイナミックに飛ぶ繁殖行動を「ディスプレイ・フライト」と呼びます。これは雌へ自分をアピールするために雄が行う行動です。

 4月20日、私たちは、オーストラリアから来日したオオジシギの保護活動に取り組む子どもたちと研究者、そして、苫小牧市近郊に住む親子の皆さんと一緒に、オオジシギの個体数調査を実施しました。調査は、勇払原野の弁天沼周辺で6チームに分かれて行い、場所によって数が多い、少ないなどの差はありましたが、全ての調査地でその姿を確認することができました。

 わぁっという歓声は、調査開始前に全員でオオジシギを発見した際、参加者から上がったものです。その時、日本の親子はもちろんですが、オーストラリアの皆さんは、大空を飛び交うオオジシギの姿にくぎ付けに。越冬地ではディスプレイ・フライトを見られないためです。

 この日は、草原の上空からはヒバリ、林からはウグイスやカッコウなどのさえずりが聞こえ、オオジシギには及ばないものの、本州や東南アジアなどから遠路はるばる渡ってきた夏鳥たちを多く観察できました。

 これからしばらくは、小鳥たちの歌声を耳にする機会が多い時期です。勇払原野やウトナイ湖以外にも、ご近所の公園や空き地、ご自宅の庭などでも聞こえるかもしれません。そんな時、鳴き声を堪能していただくことが何よりですが、ほんの少し、国境を越えて渡る野鳥たちのことを、そしてそれを観察し、守る人々が世界にいることを、思い出していただけたらうれしく思います。

(日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリ・小山留美レンジャー)

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