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(6)「苫小牧港を止めるな」 苫小牧港外貿コンテナ事業協同組合専務理事・味村康司さん

2019/1/12配信

 北日本最大の国際貿易港である苫小牧港の発展をけん引する、苫小牧市弁天の苫小牧国際コンテナターミナル。乗用車がすっぽりと入るほどの大きな海上コンテナが整然と並ぶ様子を眺めていると時折、大混乱に陥った昨年9月6日の震災を思い出す。

 地震の影響でターミナルの進入路やコンテナ保管エリア全体に液状化、陥没、段差などが生じた。40年以上も物流業界に携わってきたが、初めて直面する事態に当初は言葉を失った。震災発生からわずか6日で仮復旧させ、実(貨物)入りコンテナから受け入れを再開させたが今も復旧作業は続く。

 思いはただ一つ、「苫小牧港を止めるな」。

 美唄市出身。物流関係の仕事を志し、18歳で倉庫、港湾運送業の苫小牧埠頭に就職。飼料サイロ事業部や港運事業部などを経て、2016年から輸出入のコンテナ貨物を扱う苫小牧港外貿コンテナ事業協同組合に出向している。

 大地震が起きたあの日、地面から突き上げるような激しい揺れに飛び起きた。携帯電話で同僚らの安否を確認後、空が明るくなり始めた午前5時半ごろターミナルに到着。東日本大震災の時に映像などで見た東京港と同じように、液状化の被害が点在する現場が目の前に広がっていた。「埋め立て地だから同じ状況になるとは想定はしていたが、想像を大きく超えていた」

 液状化はコンテナ置き場の至る所で確認され、土砂が吹き出している箇所もあった。陥没やコンクリート製ブロックの隆起で生じた最大30センチの段差が、トレーラーの走行を妨げた。1本当たり20~30トンの重さがあるコンテナは崩れこそしなかったが、定位置からずれたものは多数。揺れの大きさを物語った。コンテナを運ぶトランスファークレーンも液状化で安全走行を確保できず、やむを得ず稼動を見送った。

 幸い、大型荷役機械のガントリークレーンや岸壁に損傷がなかったため、11日朝には実入りコンテナ限定で荷役を再開。6日ぶりにターミナル内をトレーラーが行き交う姿を見て、港が命を吹き返したかのように感じた。

◇    ◇

 東京ドーム約5個分に相当する約21万9000平方メートルの広大なコンテナヤードでは、地震直後から応急的な地中探査が行われ、見つかった液状化や地中の空洞化は60カ所以上。通常では考えられないほどのスピードで復旧工事が進み、発生から4カ月たった現時点での工事の進捗(しんちょく)率は80%を超えた。ただ、震災で一時的にストップした荷役の影響は今も続き、コンテナの保管スペースに余裕はない。地中探査も完全には終わっておらず、本格復旧にはなお時間を要する。

 道内全域が停電する想定外の事態も経験し、電力の安定確保という課題も見えた。全道の70%のコンテナを扱う物流拠点として、非常時も稼働し続けられるよう自家発電機設置を含めたターミナル全体の機能を高める取り組みが必要だと感じている。

 「市民には見えにくく、厳しい自然と闘うことも多い仕事だけど『物流を守る』『北海道の経済をけん引していく』という強い気持ちを持ってこれからも港を守りたい」

(島山知房)

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