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前へ-胆振東部地震被災地の人々

(2)道内外で朗読公演展開 むかわ町のチームいちばん星座長・久保田夕子さん

2019/1/8配信

 「生きることは、たくさんの命とつながりを持つことなんだ」

 昨年12月中旬、登別市内の鷲別中学校体育館。スポットライトに照らされたステージ上で椅子に座り、優しく澄んだ声で生徒約300人に語り掛けた。小学生が書いた詩を朗読し終えると仲間をサポートするため、素早くステージの脇へと走って行った。

 2004年に発足した浄土真宗本願寺派の僧侶ら12人でつくる朗読塾「チームいちばん星」。朗読に歌や映像を織り交ぜた独自のスタイルで、命などをテーマとした公演をむかわ町を拠点に道内外で展開している。メンバーの居住地は札幌市、三笠市、後志管内ニセコ町、根室管内別海町などさまざまだ。

 この日は、8人のメンバーが子どもが日常抱いている素直な気持ちをつづった情感豊かな詩と、食肉加工センターに務める男性と大切に育てた牛を提供した家族の物語を朗読。心打つメッセージや歌声が体育館に響き、生徒たちは深い感銘を受けた様子だった。人が生きていく中でたくさんの命をいただくこと。命に限りがあることを伝えている。

◇    ◇

 小樽市出身。約20年前、僧侶の夫との結婚を機にむかわ町穂別に移住し、仏門に。地域で仏教の教えを広める日々を送る中、自宅で胆振東部地震に襲われた。幸い、寺を含め建物の損傷は少なかったが、檀家(だんか)らは自宅が半壊するなど大きな被害を受け、町内の状況はめまぐるしく変化した。

 知人の紹介で、昨年9月19日から同28日まで、町が役場内に開設した臨時災害放送局「むかわさいがいエフエム」でパーソナリティーを務めた。迷いもあったが、道内外からFMラジオ関係者が駆け付けて準備を進めていることを知り、「町民として何かをしたい」という思いが少しずつ芽生えた。

 朗読で培った話術を生かし、月曜から金曜まで1時間番組に出演。生放送で町民に災害ごみの受け入れからボランティア活動まで生活支援情報を提供した。歌謡曲の紹介、ゲストを迎えての明るいトーク、詩の紹介なども交えて、町民に必要な情報を届けた。

 最終回は、「むかわ町はどんなまちになってほしい」をテーマに放送。リスナーやゲストから「どんどん人が来てほしい」「地震は大変だったけど、この町が好きだなあと改めて思った」などのメッセージが寄せられた。

 子どもから大人まで幅広い世代に受け入れられるよう、8種類ほどのレパートリーを用意。翌月以降も高齢者施設から中学校まで依頼を受けて全道各地に出向き、命の尊さを朗読や歌で分かりやすく伝えてきた。

 地震後、いちばん星で訴えてきたことの大切さを改めて強く意識するようになった。「人は一人では生きていけず、助け合いながら生きている」

 今年も東胆振のほか東京、京都、和歌山などで朗読活動を予定している。

(室谷実)

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