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進む公立化議論-変わる千歳科技大-

(下)地域貢献で魅力創出

2017/11/11配信

 ■公立大学と地域貢献

 千歳科大が公立化する場合、産学官で新たな連携を生み、従来の取り組みを拡充して地域貢献を行う。市と共に大学によるまちの活力の創出を目指している。

 「地域連携センター」が調整役となり、行政や企業などと連携しつつ、開学時から蓄積する光科学技術や、システム基盤技術、情報通信技術(ICT)を使って、市民の利便性向上や千歳ブランドづくりを目指す「スマートネイチャーシティーちとせ構想」の具体化を模索する。

 同センターは行政課題の調査や分析も行う予定で、地域貢献で重要な機関。川瀬正明学長は「大学の分析力を生かしたブランドづくりをしたい。直接地域の経済活動に役立つ事業には資金面なども市と連携して取り組みたい」と話した。

 同大はこれまで、インターネットを使って教科ごとの難易度別問題を解く学習システム「eラーニング」を利用した小中学生の家庭学習支援事業を市と共に展開。今では連携協定を結んだ道内57カ所の高校の学習にも利用されている。学生による理科実験講座に力を注いできたほか、千歳市内を走る路線バスの位置や遅延情報を伝えるバスロケーションシステム「ち~なび」の開発や、市と協力してJR千歳駅の分かりやすい案内マップ作りにも取り組んできた。

 ■市民の関心を集める

 千歳市議会の「千歳科学技術大学の公立化に関する調査特別委員会」(佐々木雅宏委員長)は11月1日、2014年に公立化した新潟県長岡市の長岡造形大を視察した。文化・芸術系の同大は「地域協創センター」を設置して「色や形の創造」による地域貢献を行っていた。

 16年度は企業と連携した10を超えるデザイン開発プロジェクトを行い、銀行の支店外観などをデザイン。長岡藩の開府400年を記念した小学生向けパンフレット作成といった演習にも取り組むほか、小学生を対象に段ボールなどを使った工作を教える「こどもものづくり大学」、ガラス工芸品や陶芸などの市民工房を校内で展開していた。

 佐々木委員長は「地域貢献は一方的なものではなく、まちと一体となったものだった」と印象を語り、「大学への関心という点で、千歳市民はまだまだ。(科技大の)市民への発信が課題」とも指摘した。

 ■地域貢献の”見える化”

 「大学の活動の『見える化』をしなければ」と、ある科技大関係者は課題を語る。「今後は大学の教育や
研究、地域貢献を市民に分かりやすい形で発信する必要がある」と言う。

 発信の仕方は模索中。科学の面白さをかみ砕いて伝える活動を強化する方針。さけのふるさと千歳水族館を会場に今年度スタートした体験型公開講座「オープンサイエンスパーク千歳」や市民講座も拡充させる。また大学の研究内容などの紹介スペースを千歳タウンプラザに設置する方向で調整している。

 こうした中、新たな大学の在り方が再定義されていくことに市の期待は高まる。庁内会議での検討結果の中で、同大がこれまで行ってきたさまざまな地域貢献は「市にとって不可欠」と認めた。

 また、同大の研究活動が地域に還流することで、今後の産業と経済の発展も期待。教育と研究力の向上による有能な人材の輩出も求めながら、公立化へかじを切ろうとしている。

 「教育、研究、地域貢献」のどの部分が欠けても大学の魅力は高まらないため、模索すべきことは多い。公立大には私立大よりもさらに強固に市や企業、地域と連携することが求められている。

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