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岩倉丸の針路-苫小牧市長4期目の航海

(上)公約掲げ新たな船出

2018/7/25配信

 任期満了に伴う6月24日告示、7月1日投開票の苫小牧市長選で無投票当選を果たした岩倉博文市長。今月9日、4期目の初登庁で職員の歓迎を受けながら新たな任期に踏み出した。

 これまでの3期12年間で市の財政状況を好転させた市政運営の手腕、国会議員を経験している豊富な人脈。そうした評価の高さが、対抗馬が出にくい状況になったとの見方もあるが、自身は当選に浮かれず、至って慎重な姿勢だ。

 無投票当選が決まった直後の記者の質問に「無投票は信任されたというより、誰も対抗馬が出なかっただけだ」と語った岩倉市長。自身のホームページでも4期目に向けた姿勢として「謙虚さを忘れることなく、決しておごることなく」と記した。

 少子高齢化と人口減少が同時進行していく、かつてない時代への突入。おごらず、謙虚に―。荒波へと船出する前に自分を戒め、気を引き締める言葉のようだ。

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 厳しい時代のまちづくりをけん引していく4期目の基本テーマは「快適都市を目指して 笑顔あふれるふくしのまちづくり」。「市民との約束事」とした公約には、行財政改革や産業振興、医療介護、福祉、環境行政、文化振興など計50の施策を示した。

 公約の推進に向けた部内協議はすでに始まり、今後、優先順位を付けて施策の事業化を図っていく。

 岩倉市長が特に重要案件と位置付けているのは、JR苫小牧駅前の再生だ。商業環境の変化で駅周辺の大型店が相次いで撤退し、元気を失った中心街。駅前の一等地で旧大型商業施設・エガオも巨大な空きビル状態となったままだ。

 本紙が市長選前に行った市民アンケートでも、関心がある政策課題で最も多くの人が選んだのが駅前・中心街問題だった。

 公約では、市が土地・建物の権利集約を進めるエガオビルの跡地利用について「地権者とも協力し駅前の新たな顔づくりに取り組む」と記し、駅周辺のイメージアップを目指し「イルミネーションを復活し、季節に応じた利用を提案する」としたソフト事業も示した。

 公約実現へ17日の市議会臨時会で早速、駅前広場で12月~来年2月に行うイルミネーション事業費約2600万円を計上した今年度一般会計補正予算案を通過させた。さらに駅前広場にスケートリンクを設置したり、朝市を復活させたりと将来構想も抱く。岩倉市長の中心街のにぎわい再生に懸ける思いは強い。

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 公約には▽新たな行政改革プランの策定▽市営住宅の管理戸数を5000戸(現在約7100戸)とし、管理業務を民間委託▽道路へのネーミングライツ(命名権)導入▽カジノを含む統合型リゾート(IR)など国際リゾート構想の推進▽苫小牧港のロジスティクス(戦略的物流)機能強化―といった行財政改革と成長戦略を掲げ、財政基盤のさらなる強化を目指す考えだ。

 一方で、時代のニーズを踏まえて▽乳幼児等医療助成制度の拡大▽高丘霊葬場改修▽沼ノ端鉄南地区の児童図書館整備▽科学センター移転改築▽日新消防署建て替え―など多額な財政出動を伴う政策事業を公約に盛った他、複合施設・市民ホール(仮称)建設事業も控えている。

 1期目の予算編成で政策事業に充てる一般財源は30億円台だったものの、この数年は40~50億円台に膨らみ、4期目もこの水準が続く見通しだ。苫小牧でも人口減少が続き、税収の落ち込みが懸念されている中、市政運営の難しいかじ取りに迫られそうだ。

 17日の市議会臨時会で岩倉市長は、就任あいさつでこう述べた。「明るいまちの将来展望に思いをはせ、港造りの努力を続けた先人のようにチャレンジ精神を持ち、力強い一歩を踏み出していきたい」。市民への誓いの言葉は、多難な時代に向けた自身への鼓舞のように聞こえた。



 時代の転換期に4期目の岩倉市長は、これからのまちづくりにどう挑むのか。”岩倉丸”が進む針路と課題を取り上げる。3回連載。

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