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国際観光都市を目指して-苫小牧IR市民セミナーから-

(下)あずさ監査法人パートナー公認会計士 小林篤史さん2

2017/7/15配信

 ■需要予測が重要

 苫小牧市は現在、IR事業者の投資意向調査を行っているが、事業者の提案を踏まえて実現可能性のある苫小牧IRを考えていくことが重要だ。苫小牧や北海道のポテンシャルを生かし、都市型IRとの競争に負けないオリジナリティーを持つことが必要。市が2014年度に行ったIR導入の可能性調査では、北海道のブランドイメージを生かし、苫小牧の豊かな自然に囲まれたリラックスできる空間の創出、開発と自然が共生する空間づくり、空港隣接地の強みを生かしたオンリーワンのIR整備が示されている。

 IRへの投資規模を検討する場合、回収見通しと需要予測が重要だ。苫小牧IRの利用が見込まれる集団としては、車で60分圏内に居住する300万人をはじめ道民全体の他、日本人旅行客が577万人、訪日外国人旅行客(インバウンド)が208万人。この中で最も重要なのが外国人旅行者だ。道は20年に年間500万人を目指すとしており、こうした取り込みに基づく需要予測がポイントになる。

 ■魅力ある地域資源を活用

 苫小牧IRで想定される施設の中で、カジノ以外のノンゲーミング施設に必要なものは、MICE(マイス)、レクリエーション、ホテルなどだ。MICEは、ミーティング(会議・研修など)、インセンティブツアー(報奨や招待旅行など)、コンベンション(国際会議など)、エキシビション(展示会・見本市)の頭文字を取った造語だ。

 企業の研修や懇親会、国際会議、イベント会場などに対応する施設で、利用の平均単価が高くリピートも期待できる。日本にはこうした施設はあまりなく、国策で広げようとの方針だ。魅力あるMICEを考える場合、規模以外に自然環境やアイヌ文化、馬文化など外国人向けの魅力ある資源の活用が大切になる。市内や胆振日高地方の多様な資源を組み合わせて観光してもらうことも考えられる。

 ■周辺開発にも期待

 苫小牧IRの候補地は、空港隣接地域と苫東地域の2カ所を想定している。自然環境を活用するという点では、空港隣接地域が中心になる可能性もある。ただ、都市計画法の市街化調整区域に当たるため、どうクリアするかが課題だ。苫小牧IRは自然共生がコンセプトで、開発に向けては十分な環境アセスメント(事前影響評価)が必要。空港からのアクセス道路などインフラの整備、そのコスト負担も課題になる。

 空港近接地域は「リゾート・自然エリア」と位置付け、空港からの近さを生かして自然観光体験施設や文化体験施設の誘致も考えられるエリアだ。空洞化が進む中心街にIR従業員の宿舎を造れば、にぎわいを取り戻すこともできそう。港に海鮮市場などを持つフィッシャーマンズワーフなど観光施設を整備し、IR利用客に市街地へ来てもらうという仕組みも考えられるだろう。IR推進法の成立過程を見ると国民には根強い懸念があり、それは苫小牧市民も同じ。市は誘致に際してプラスとマイナスの両面を偏りなく情報提供していくことが大事だ。

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