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あしたへ進む-苫小牧市19年度予算案

(3)中小企業振興 人材確保へサポート

2019/2/20配信

 2019年度予算案を発表した14日の記者会見で、岩倉博文市長は地域経済の活性化に関して「最大の課題である人手不足について、一つや二つの施策で解決できるとは思わない」と述べ、人口減少などを背景に地元企業が抱える課題に対し、あらゆる手で対策を講じる必要性を示した。

 企業振興に向けては、予算案に新規事業「とまなか産業発展・創出事業」の経費380万円を計上し、産学官の連携で産業振興を目指す。具体的には、市と苫小牧工業高等専門学校が昨年10月に締結した連携協定に基づき、苫小牧経済センター(表町)に開設された中小企業向け技術相談所「C―base(シーベース)」の機能強化を図る。

 現在、苫高専の職員が平日に常駐し、商品開発や起業などに関する企業からの相談に無料で応じ、場合によって専門機関につなげている。今後は苫小牧商工会議所や金融機関など関係団体の協力で協議会を立ち上げ、シーベースの活動を支援していくことも視野に入れている。苫高専キャリア教育センター長の須田孝徳特命教授は「シーベースが関係機関のたまり場のようになってほしい」と話し、連携による活動の広がりを願う。

 すでに苫高専ではシーベースを利用した企業の相談を生かし、学生がグループで課題解決を検討し提案する「共同教育」の場に役立てた事例もある。学生が地元企業を身近に感じる機会にもなっており、市工業・雇用振興課は「学生が地元就職を意識するきっかけになれば」と、シーベース支援の意義を強調し、波及効果に期待を寄せる。

    ■   ■

 苫小牧市内の事業所の9割を占める中小企業。大企業の進出で発展してきたまちだが、中小企業で働く従業員数も全体の8割近くに達し、地域経済の根幹を担う存在だ。

 そうした中小企業の発展を目指した振興条例に基づき、市は「中小企業振興計画」を18年度にスタート。同計画は▽創業促進と経営基盤の強化▽人材確保と育成、事業承継の円滑化▽販路拡大と需要開拓の促進―を柱に各種施策を組んでいる。

 19年度は同計画の関連事業として「中小企業振興事業」に約690万円を計上。新たに市公式ホームページで中小企業に役立つ情報を載せるポータルサイトを構築し、引き続き創業サポート事業や事業承継セミナーの開催などにも取り組む。中小企業振興審議会会長の川島和浩苫小牧駒沢大学教授は同計画について「審議会の議論を経て作られた計画だが、その意義は大きい」と評価し、地元中小企業の活動を促す事業の推進を訴える。

 この他、企業の人材確保への支援策も予算化した。その一つが「採用力・魅力創造支援事業」(2450万円)。同事業は、市が今年度中に開設する「就職マッチングサイト」で求職者に地元企業の魅力や求人情報を紹介したり、企業の離職防止対策をサポートしたりする処遇改善事業を引き続き展開する内容。企業にとって大きな課題の人材確保や職場への定着を支援するものだ。

 15年度に始めた処遇改善事業は、専門家が企業訪問して助言する形で年々、事業を活用する企業が増え、一定の成果を上げているという。市工業・雇用振興課は「工業高専が苫小牧にある利点も生かしながら、さまざまな対策を講じて中小企業を支えていきたい」と意気込む。

19年度の主な企業振興事業

・小規模企業経営改善資金貸付金(9億円)
・中小企業振興資金貸付金(8億5000万円)
・就業支援事業(5510万円)
・中小企業振興事業(690万円)
・共同研究支援事業(100万円)
・とまなか産業発展・創出事業(380万円)
・中小企業人材育成補助(50万円)
・採用力・魅力創造支援事業(2450万円)

(室谷実)

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