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空と飛行機の物語~苫小牧市美術博物館特別展「Art and Air―空と飛行機をめぐる、芸術と科学の物語」より

(上)実体の不確かな存在

2016/7/19配信

 一貫して飛行機をモチーフとする作品を作り続けている青秀祐(あお・しゅうすけ、1981~)は、飛行機とそれを取り巻く機械文明の在り方や人間の欲望、社会問題などを探る作風により、芸術と科学が融合する一つの形を提示している作家です。

 かつて航空自衛隊のパイロットであったという青の父親が搭乗していた「ファントム」をモチーフとするこの作品は、ファントムの玩具を真横から撮影し、コンピューター上で実機の写真からマークやオイル汚れなどを抽出した上で合成、加工を施し、ほぼ実機と同じサイズで布地にプリントアウトした、縦4・5メートル、幅約16メートルという巨大なスケールを有する作品です。

 青自身、幼少期に父親が「ファントム」に搭乗する姿を見ていたと言いますが、その記憶は残っておらず、むしろ、大人になってから目にしてきたプラモデルや映像、漫画など実機としてのスケールやリアリティーを失った「ファントム」のイメージの方が鮮明であると語っています。自身にとって身近でありながらも実体の不確かな存在であるモチーフを作品化した青は、その作品名を「Phantom Scales」という複数形にすることで、ともすれば「実体」よりも「表層」にとらわれがちな現代社会において、"幻影"のように氾濫するイメージを象徴的に表しているかのようです。

◇     ◇

 苫小牧市美術博物館で特別展「Art and Air―空と飛行機をめぐる、芸術と科学の物語」が9月4日まで開かれている。同館の細矢久人学芸員が展示されている現代アート作家の作品を全3回で紹介する。観覧料は一般600円、高・大学生400円、中学生以下無料。

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