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この1年2018-千歳・恵庭

(6)不作と台風、地震、農家に試練 天候不順、災害相次ぎ大打撃

2018/12/27配信

 今年千歳、恵庭の農家は天候不順による農作物の生育遅れと台風21号、胆振東部地震に伴う大規模停電「ブラックアウト」に見舞われ、未曽有の打撃を受けた。JA道央管内(千歳、恵庭、北広島、江別4市)の台風と地震による被害総額は10億6000万円に上るなど、農家にとっては試練の一年となった。

 ◇天候不順で収穫落ちる

 今年は春先の雪解けが早く、農作業、作物の生育ともに順調に進んでいたものの5月に入り、低温と多雨、日照不足で作業は停滞。6月から8月にかけても天候は回復せず、水稲、小麦、大豆、小豆、ジャガイモ、牧草など作物全般にわたる生育遅れが見られた。9月以降は天候が回復したものの、作柄は好転するまでには至らなかった。

 7月初旬に到来した台風7号から変わった温帯低気圧の影響で川の水があふれ、水田が水没する被害に遭った農業を営む男性(42)=千歳=は「今年は、水稲が前年の8割、小麦は前年の半分以下。ビートも糖分はあったが小ぶり。こんな年は初めて」と落ち込んだ収量に天を仰ぐ。気を取り直すかのように「来年はいい年に―と、いつも通り頑張るしかない」と話した。

 ◇台風と地震

 9月には、台風21号と胆振東部地震が追い打ちを掛けた。JA道央管内(4市)で倉庫、ハウスの損壊や作物被害は、台風が9億4000万円、地震は1億2000万円の計10億6000万円に上った。

 台風でハウスが被害に遭った主婦(66)=恵庭=は「吹き返しがなかったのでハウスの花は倒伏で済んだ。出荷はできた」という。不作と台風・震災の「トリプル被害」の痛手は大きかった。

 倒木で事務所と牛舎が被害に遭った酪農家の男性(43)=同=は「市や農協が迅速な対応をしてくれありがたかった」と話す。地震直後の停電で搾乳ができなかった牛のストレスの影響は今も続いていると言い、「乳量が十分にあった若牛2頭を乳房炎で廃牛にした。売る予定だった子牛を搾乳に充てるが、地震前の乳量に回復するまで1年はかかる」と表情は厳しい。「牧草も収量は平年の6割。品質低下による乳量、乳質への影響が心配。不足分を購入で賄うため出費もかさむ。今年は我慢の年だった」と苦しい台所事情を語った。

 JA道央の担当者は「(台風や地震の)被害を最小限に食い止めることができた。被害に遭った農家には国や4市が迅速に対応してくれた」と感謝する。松尾道義代表理事組合長は、近年の気象現象の変化に触れ、「今年は大冷害だった1993(平成5)年のような厳しい一年だった」とした上で「この苦しい経験を今後の営農に生かしたい」と語る。

 (神源伸)

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