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この1年2018-千歳・恵庭

(5)胆振東部地震 揺れと停電、市民生活に影響

2018/12/26配信

 道内で初めて最大震度7を記録し、41人が死亡した9月6日の胆振東部地震。千歳市も震度6弱、恵庭市も震度5強を観測し、大規模停電が市民生活に大きな影響を与えた。物流が滞って食料品やガソリンなどは品薄に陥り、各店舗前には長蛇の列ができ、炊き出しの光景も見られた。

 さらに未明に起きた地震や直後の停電で、不安などを覚えた市民の一部が自主避難し、両市も避難所の開設に踏み切った。千歳は45カ所、恵庭は7カ所を市民に開放した。断水はしなかったが、集合住宅など一部で水道が使用できなくなり、応急の給水場も開設された。

 特に新千歳空港を抱える千歳は、観光客の大量受け入れが課題になった。地震発生当日は同空港の全便が欠航し、ターミナルビルも閉鎖したため、多くの観光客が行き場を失った。同市の避難者はピークで約1750人だったが、その半数が観光客だったとみられる。

 千歳市には市内のホテルなど各方面から、観光客の受け入れ要請が相次いだ。避難希望者を避難所に移すため、災害時対応バスを初めて運行し、観光客専用の避難所も設けた。外国人向けに通訳要員を配置するなど手厚く対応し、後に在札幌韓国総領事館が市に感謝を伝えている。

 また、自衛隊が総勢2万5000人態勢で災害派遣を展開する中、主力の陸自第7師団をはじめ、第1特科団、第1高射特科団、第3施設団、空自の千歳基地など、千歳、恵庭両市の自衛官らが胆振東部、日高西部で活動。人命救助を中心に、給水、給食、入浴、医療など生活支援を繰り広げた。

 両市では7日夜にほぼ全域が停電から復旧し、8日から交通などのインフラも稼働。物流などで影響は残ったものの、市民生活も徐々に落ち着きを取り戻した。被災地を支援する動きも本格化し、行政や団体による職員の派遣、市民レベルのボランティアなどが相次いだ。

 一方で地震と大規模停電を経験し、両市で災害対応の課題が浮き彫りになった。市民への情報提供やデマ情報などの拡散対策、避難所運営をはじめ協働の役割分担、防災資機材の計画的な備蓄、高齢者や障害者への対策など多岐にわたり、課題はそのまま貴重な教訓になった。

 両市は自助、共助、公助の在り方を再確認しつつ、さらに災害に強いまちづくりにつなげようと、検証やマニュアルの見直しを進めている。道内は特に冬季の備えが最重要な中、両市は備品の購入を前倒ししたり、新たに初動訓練を企画したりと、待ったなしで防災体制を構築している。

(金子勝俊)

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