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この1年2018-千歳・恵庭

(1)手話言語条例を制定 聴覚障害者の念願叶う

2018/12/20配信


 「第一歩を踏み出した意義深い日」―。千歳聴力障害者協会の関係者はそう語った。3月8日、千歳市手話言語条例が市議会第1回定例会で可決され、即日施行された。手話を言語として位置付け、市民に聴覚障害への理解を深めてもらう狙いの条例。制定に際して今年度、市は専従手話通訳者を増員する取り組みを進めた。今後も手話への理解を広める施策を展開する。

 障害者基本法と障害者の権利に関する条約は手話を言語として定めている。手話言語条例は2013年10月に都道府県としては鳥取県、市町村としては同年12月に石狩市の制定が端緒となった。千歳市の同条例制定は道内15番目、国内130番目。市障がい者地域自立支援協議会の専門部会が案を吟味してきた。

 千歳市では、手話の理解促進と普及、手話に関する施策推進を通して「市民がお互いに支え合い、安心して共に生きることができる社会を実現する」ことを目的に掲げる。手話を使用しやすい環境づくりや施策の推進を、市の役割として明記。市民の理解を深めること、事業者には聴覚障害者が利用しやすいサービスの提供や働きやすい環境づくりに努めることを定める。

 手話への社会的な理解が進んでいなかった30、40年前のろう学校では、口の動きを見て相手の話した内容を読み取り発語する「口話(こうわ)」が指導された。手話は「手まね」として禁じられた。だが口話では正確に読み取るのが難しく、意志疎通のほか学習や就職に影響することがあったという。こうした背景から手話を使いやすい環境整備を盛り込む手話言語条例は、聴覚障害を抱えた当事者の念願だった。

 3月8日、市議会議場の傍聴席には道ろうあ連盟などの関係者が集い、可決を喜んだ。制定に立ち合った千歳聴力障害者協会の佐藤義典会長は「今まで手話を理解してもらえなかった苦労が消えていく気がする。今後は市民に理解を広めやすくなる」と感慨を語った。制定を機に、市はリーフレットの配布や市内催事での周知を行った。10月には制定記念イベントを開催した。

 千歳市社会福祉協議会は、手話のできる人材や通訳者の育成を目的に、市からの委託事業として手話講座を開催。今年度も初級、中級、上級の各講座で計43人が修了した。社協専従手話通訳者の川北美由紀さんは「条例制定後、講座に関する問い合わせが増えています」と実感する。

 市障がい者支援課の松田和也課長は「今後も要望があれば手話の出前講座を行い、必要な福祉サービスについても関係者と協議しながら検討していきたい」と話す。今後も関連施策の推進に努める方針だ。(平沖崇徳)

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