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レラ開業10年 変わるアウトレットモール

(1)海外客を狙え

2015/5/4配信

 中華圏の旧正月「春節」を迎えた2月19日。10台以上のツアーバスが千歳アウトレットモール・レラの駐車場に押し寄せた。バスに乗っているのは、台湾や中国から来道した海外客だ。

 ■20万円まとめ買い

 午前10時の開店から30分足らずで、家電・高級腕時計を販売する免税店とドラッグストアは大混雑。中国・杭州市の趙渊さん(40)は「電気ポットや健康食品を買った。日本製は信頼できる」。20万円を使った。

 2月18~25日の春節商戦で、レラを訪れた海外客は前年比2倍に達した。国・地域別では、台湾、中国、香港が全体の8割を占める。中国の決済サービス「銀聯(ぎんれん)カード」利用額も同3・7倍に急増。北海道と中華圏を結ぶ航空便の増便に加え、円安や免税対象品目の拡大が追い風となった。

 際立つのは客単価の高さだ。スポーツ用品店の男性店員(20)は「あっという間に10万円くらいをまとめ買いする人も少なくない。じっくり品定めする日本人と買い方が全然違う」と話す。

 ■地の利を生かす

 空の玄関口・新千歳空港の近くに立地する強みを最大限に生かそうと、レラは海外客の取り込みに力を入れてきた。

 開業翌年の2006年からアジア各国で海外営業を開始。営業を通じて海外客を取り込む発想が流通業界に根付いていなかった時期から、積極的に情報発信を続けた。

 09年4月から銀聯カードに対応。昨年10月に中国語など3カ国語に対応した海外客専用相談所を開設し、通訳や買い物のサポート、ホテルの宿泊予約に対応する体制が整った。さらに無料公衆無線LAN「Wi―Fi(ワイファイ)」を全館に導入し、通信環境も大幅に向上した。

 今も海外営業に出向く鈴木靖彦副支配人は「レラから空港までバスで10分程度で、帰国直前に買い物をする場所として最適。立地先に千歳を選んだのは、海外客を誘致する上で大きな意味があった」と話し、地の利を強調する。3月以降も海外客の来館は前年同月を上回るペースで推移。増加傾向は続きそうだ。

 さらに海外客を引き込む上で、鈴木副支配人が課題に挙げるのは北海道旅行の満足度を高めることだ。「海外客の誘致に取り組んでいるのは韓国や中国も同じ。ホテルやバスの不足、空港の受け入れ態勢などが改善しなければ、海外客はライバル国に流れてしまう。観光や流通などさまざまな業界が連携しながら、『お客さま視点』に立って満足度向上につなげる取り組みが必要だ」と語る。

      ◇

 千歳アウトレットモール・レラが開業から10年を迎えた。有名ブランドやメーカーの余剰在庫を格安で販売するアウトレット業態は今、転換期を迎えている。レラの進化と挑戦を報告する。

メモ…2014年にレラを訪れた海外客は前年比24%増と3年連続で増加した。東日本大震災の影響を受けた11年と比べると5割増。台湾、中国、香港の3カ国・地域が全体の7割超を占めるが、タイやマレーシア、シンガポールなど東南アジアの海外客も増えている。

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