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この1年-2018

(8)岐路に立つ鉄路-JR北問題 日高線鵡川―様似間は廃止・バス転換に

2018/12/28配信

 経営難のJR北海道が「JR単独での維持困難」とした道内10路線13線区に含まれた日高線鵡川―様似間と、室蘭線沼ノ端―岩見沢間。2018年はこの2線区のターニングポイントを迎えた年となった。日高線鵡川―様似間は廃止・バス転換、室蘭線沼ノ端―岩見沢間は維持存続。そうした鉄路の方向性がこれまで以上に明確となり、JR北の方針に沿線自治体も対応に迫られた。

 JR北は6月、経営再生見直し案の中で維持困難13線区のうち、日高線鵡川―様似間を含む5線区を廃止し、バスなど他の交通機関への転換を打ち出した。室蘭線沼ノ端―岩見沢間を含む残り8線区については収支改善に努め、国などの財政支援を得ながら維持していく考えを示した。同じ赤字路線ながらも、過去の利用状況や収支改善の可能性などを踏まえた方針として、日高線と室蘭線の方向性がはっきりと分かれた。

 日高線維持を模索していた日高管内の沿線7町(日高、平取、新冠、新ひだか、浦河、様似、えりも)は反発。高波被害で15年1月から不通が続く鵡川―様似間の災害復旧や一部線区の運行再開、線路と道路の両方を走行できるDMV導入をJR側に求めてきた経緯があるからだ。

 しかし、バス転換が最適との主張を崩さないJR北との議論は平行線をたどり、7町は7月、DMV導入などの要求を断念。線区の方向性として▽全線復旧▽鵡川―日高門別間の復旧、残り区間をバス転換▽全線バス転換―の3案に絞った。しかし、鉄路復旧や運行経費に掛かる地元負担の大きさを懸念した各町は11月、線区の全線復旧を諦めて残り2案で協議を進め、最終的に1案に集約することを確認した。

 ところが事態は思わぬ動きを見せた。今月25日の7町長の会議で、浦河町の池田拓町長が「全線復旧の選択肢を残したい」と主張。全線復旧断念の7町合意をひるがえした。2案をめぐる意見はまとまらず、結論は来年に持ち越すことに。協議の先行きに不透明感が増した。

 ■室蘭線は協議会を設置

 一方、室蘭線沼ノ端―岩見沢間に関しては、沿線の苫小牧市と安平町、岩見沢市と空知管内栗山町、由仁町の2市3町が岩見沢市内で初の意見交換会を開き、同線区維持で考えを一致させた。11月には2市3町の「JR室蘭線活性化連絡協議会」の初会合を岩見沢市で開き、鉄路の維持を目指す方針を改めて確認した。

 協議会は列車の利用促進に向けて作業部会を設置し、今年度中に赤字路線の収支改善を目指した行動計画を策定するJR北との協議に入る。

 そうした中、JR問題を話し合う国や道などの6者協議で24日、高橋はるみ知事が室蘭線を含む8線区に対して19年度と20年度に限り、道と沿線自治体が財政支援を行う方針を提案し了承された。路線存続に向けた地元負担を軽減する国の財政措置の見送りによる緊急的対応だが、にわかに浮上した道の方針に沿線自治体の間で地元負担に対する不安と戸惑いも広がった。

 JR北の路線見直し問題に翻弄(ほんろう)される道、沿線自治体。人口減少時代においても地域の公共交通を守る姿勢と取り組みが求められる中、日高線、室蘭線の行方にも目を離せない状況が続いていく。

(室谷実)

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