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(7)大型冷凍冷蔵倉庫、2020年春完成へ 道内最大級、食品輸出を促進

2018/12/27配信

 苫小牧港・東港の苫小牧国際コンテナターミナル背後地で8月、道内最大級となる大型冷凍冷蔵倉庫建設の地鎮祭が行われた。道内各地に分散保管されている道産農産物や加工食品を集約し、一元的、長期に保存できる最先端冷凍・冷蔵技術を駆使した大型倉庫。物流の効率化をはじめ、道産食品の高付加価値化や輸出拡大など、新たな可能性を創出する施設として注目が集まっている。

 このプロジェクトを中心的に進めているのは、苫小牧市が出資する倉庫・港湾運送業の苫小牧埠頭(橋本哲実社長)。産学組織の北海道フードロジスティクス・イノベーション推進協議会(委員長・石井吉春北大公共政策大学院特任教授)を設置し、大型倉庫の方向性などを検討した。その方針を受けて同社と日本政策投資銀行、日本通運、北海道空港、ホクレンが出資し、倉庫を建設・保有する特別目的会社「北海道クールロジスティクスプレイス」を設立。具体的な事業の実務は苫小牧埠頭が担うとしている。

 ■収容能力は道内最大級

 大型倉庫は、品目に応じて三つの温度帯で保管できることを特色とし、長期の鮮度保持が可能となる。生産量や収穫期に左右されやすい農産物輸送量も平準化でき、収穫期には特に顕著になるトラックドライバー不足という課題の解消にもつながる。

 また、災害時に産地からの輸送に障害が出た場合、鮮度を保った農産物などが長期保管されている大型倉庫の存在感はより高まり、関係者は「有事の観点からも意義は大きい」と指摘する。

 大型倉庫の仕様を見ると、建屋は外断熱式の鉄筋コンクリート造で地上4階建て(建築面積3985平方メートル、延べ床面積1万4595平方メートル)。収容能力は道内でも最大級となる2万200トンで、温度帯は▽冷蔵(0~15度。収容能力7700トン)▽冷凍(零下25~同38度。同7500トン)▽冷凍・冷蔵切り替え(零下25度~15度、同5000トン)―の三つに分かれる。このうち冷蔵エリアは大気組成などを調節し、高度な鮮度保持ができるCA冷蔵庫を導入する計画だ。

 ■食産業が熱い視線

 大型倉庫の活用で、海上輸送コンテナを使った食品輸出の拡大に期待が寄せられ、近接する新千歳空港の活用で短時間で目的地へ運べる利点もある。

 操業開始の時期は、胆振東部地震の影響で当初計画の2019年9月から20年春に変更されたが、大型倉庫が持つ機能は食品物流の高度化につながるとして関連業界が熱い視線を注ぐ。

 苫小牧東部地域の工業用地を分譲する株式会社苫東や苫小牧市には、すでに複数の企業から問い合わせが入っているという。将来的には苫東で食品加工分野の企業立地が進む可能性もあり、大型倉庫を生かした新たな展開に、各方面から大きな期待と関心が集まっている。

(坂本隆浩)

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