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(6)「むかわ竜」北海道遺産に 化石資源生かした官民連携のまちづくり

2018/12/26配信

 むかわ町穂別で2003年に発掘された大型草食恐竜ハドロサウルス科の全身骨格化石「むかわ竜」=約7200万年前(白亜紀後期)=。国内の恐竜研究史上で最大の発見とされるこの化石をめぐり、さまざまな出来事があった。

 まずは、「むかわ竜」という通称名に異論を唱える人たちが現れた。旧穂別町出身者でつくる「町外から化石の里ほべつを応援する穂別出身者の会」が5月、名称の再考を求める約3000人分の署名と、名称決定の経緯説明などを求める公開質問状を竹中喜之町長に提出した。同会はむかわ竜の名について「穂別で発見されたのに、穂別地区の住民の思いが反映されていない」とした。

 別のグループも名称に異議の声を上げた。穂別地区の住民で組織する「通称名をむかわ穂別竜に変える会」が9月、町に対し「むかわ穂別竜」に変更するよう求める872人分の署名などを提出。旧穂別町が化石の里として知られていたことから「むかわ竜ではなく、穂別が培ってきた文化と財産を残すためにも、むかわ穂別竜にしてもらいたい」と訴えた。

 こうした動きに対し、町は発見者の意向を踏まえて現在の通称名に決めたとし、「合併した町のシンボルとしてふさわしい」との理由で通称名を変更しない考えを示した。

 ■骨格の全体像明らかに

 むかわ竜の骨格の全体像も明らかになった。骨の化石に付着した岩石を削り取るクリーニング作業を終え、ハドロサウルス科恐竜が持つ255個の全身骨格のうち、約6割の157個を特定した。全骨格の体積の8割を超える骨がそろい、北海道大学総合博物館と町穂別博物館が成果を報道機関に発表した。

 町は、日本最大の恐竜全身骨格を広く見てもらおうと、10月に一般公開を計画。しかし、胆振東部地震の発生で延期となり、復興イベントの位置付けで11月11、17、18日に穂別町民センターで開催した。むかわ町は地震で被災したものの、穂別博物館に保管されていた化石に被害が無かったことは何よりだった。

 一般公開では、町が「完全版」とPRするむかわ竜を一目見ようと、大勢の人たちが同センターに押し寄せ、3日間に計4200人が足を運んだ。担当の町恐竜ワールド戦略室は「多くの人が訪れてくれて、復興へ向かうむかわ町の元気な姿を感じてくれたと思う」と話した。

 ■むかわ竜を商標登録

 恐竜化石をめぐる話題はさらに続いた。町が国に申請していた「むかわ竜」の商標登録が11月30日付で認可された。

 町は「むかわ竜」の使用権利を守るため、昨年7月に特許庁に文房具類や食品類、菓子類、衣類など9区分で商標登録を申請し、全て認められた。記者会見で竹中喜之町長は「恐竜関連グッズや町内の事業所での利活用を進めていきたい」と意欲を見せた。

 また、NPO法人北海道遺産協議会が同月、穂別の古生物化石群を「北海道遺産」に選定したと発表したことも、町にとって大きな朗報となった。むかわ竜のほか、穂別で見つかった「ホベツアラキリュウ」などのクビナガリュウやモササウルスといった海生爬虫(はちゅう)類、アンモナイトも含めて北海道遺産に認定され、「恐竜時代の息吹が伝わる日本有数の海と陸の化石群」と評価された。

 地震で大きなダメージに見舞われたむかわ町。化石資源を生かした官民連携のまちづくりを積極的に進め、復興の弾みにしていくことが期待される。

(高田晴朗)

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