価値観
- 2022年5月16日
「目の前にある価値観を唯一絶対と捉えてしまうのは、形成過程やそれ以外の価値観を知らないから」と語るのは「コテンラジオ」のパーソナリティーとして知られる実業家深井龍之介さん。ネット配信されている番組の内容を再構成した本がベストセラーとなっている。 武則天からカーネル・サンダースまで歴史に名を
「目の前にある価値観を唯一絶対と捉えてしまうのは、形成過程やそれ以外の価値観を知らないから」と語るのは「コテンラジオ」のパーソナリティーとして知られる実業家深井龍之介さん。ネット配信されている番組の内容を再構成した本がベストセラーとなっている。 武則天からカーネル・サンダースまで歴史に名を
近所からネマガリダケのタケノコ。声の大きい幼なじみからはギョウジャニンニクと葉ワサビが調理の指導付きで届いた。体調不良の出不精に季節の味がありがたい。 山村に生まれ、子どもの頃から季節の山菜は主食のようなものだった。子どもが間違えずに採れるものといえばウドかフキ程度。太く軟らかい物を求めて
親戚に沖縄出身の女性がいる。会うと元気になる、明るい性格の女性だ。初めて会ったのは、東京で暮らしていた学生時代。狭いアパートだった。まだ沖縄が日本に復帰して、そんなに時が過ぎていない時代だったような気がする。 その頃、ラジオから時々流れてきて、とてもいい曲だなと思った歌がある。ヒット曲を連
北海道から2400キロも離れている沖縄が今年、大きな節目を迎える。米国の統治下に置かれていた沖縄が本土に復帰してちょうど50年になるからだ。この半世紀で、人々の生活や環境は劇的に変わったのだろうと想像はつくが、全く変わらないものもある。 在日米軍基地で不祥事などがあるとクローズアップされる
ロシアのウクライナ侵攻以降に国内の報道機関が行った世論調査で防衛力の強化を求める意見が増加中だ。攻め込まれる恐怖が広まる。 3月中旬に朝日新聞社と東京大学の研究室が行った共同調査でも「もっと防衛力を強化すべき」との意見が64%に上り、強化反対派の10%を大きく上回った。強化賛成が6割を上回
ウクライナが戦火にさらされる中、ロシアが9日に行った第2次世界大戦の対ドイツ「戦勝記念日」の軍事パレード。モスクワの記念式典で演壇に立つプーチン大統領が何を語るのか全世界の耳目が集まった。結論を言えば、目新しい重大な発表はなく、戦火拡大の兆しもうかがわれず、静観の時が流れるだけだった。 演
大型連休が終わった。帰省やレジャーを楽しんだ人々の一方で、それとは無縁の時間を過ごした人々がいる。知床半島沖で起きた観光船の遭難事故で消息を絶った、または亡くなった乗客の身内だ。同じように客船が出入りする苫小牧市に住むせいか、ずっと気になり案じている。 遭難した観光船の乗客24人は、東京都
仕事柄、気になる新聞記事は切り抜いてとじ、手元に置いて内容を確かめる。ロシアのウクライナ侵攻関連の記事は2月中旬から保存が始まり、もう数百枚になった。 初めてのことが多い。先進国の間の戦争が近づき、始まっていく経過を、世界中が報道を通じて見守ったのは第2次世界大戦後、初めてのことだ。核兵器
かれこれ6年前に取材させてもらった当時70代の米国人男性はカリフォルニア州のタホ湖近くに暮らしていて「タホ湖と支笏湖は似ている」と力説した。何しろ若い頃、千歳の旧米軍基地にいた人だ。 タホ湖を眺めて、はるか離れた支笏湖をよく思い出すと言い、久々の本道再訪のこのときも湖畔行きを熱望した。タホ
Aさんは働きながら子ども2人を育てた。もちろん、夫の理解はあったが、自分の母の協力が何より大きかった。心から感謝している。 「もし、娘が働きながら子育てをするようになったら、自分もできる限り力になってあげよう。それが母への、言葉を超えた感謝になるはず」。そう決心した。首都圏に住む娘が結婚し
ゴールデンウイーク(GW)も後半を迎える。新型コロナウイルスの緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が全国のどこにも発令されていないGWは3年ぶりで、東胆振の行楽地もにぎわいを見せている。紙面にも子どもたちの笑顔があふれ、見ていてうれしくなるが、目の端がどうしても1000~3000台を行き来する感染者
エゾシカはアイヌ語でユクという。イセポカムイ(ウサギ)、ケマコシネカムイ(キツネ)、キムンカムイ(ヒグマ)など、アイヌの精神世界でカムイ(神)と見なされた野生動物は多いけれど、シカは神様になれなかったようだ。それほど、ありふれた存在だったということか。アイヌの古いことわざに「鍋を火にかけてから狩り
暦通りに休むことのできる人はどの程度の率になるのか。今年も大型連休が始まった。北海道は新型コロナの感染者数が減らず、燃料の高騰も続く落ち着かない連休。 数日だけでも、続いた休みが取れれば家族そろってドライブか帰省。そんな平凡な暮らし方を半世紀ほども続けてきた。 古賀茂明「官邸の暴走
ゴールデンウイーク(GW)が始まった。3連休が2回あり、5月2日と6日に休みを取れば10連休も可能。まさに黄金週間だが、期待と不安も交錯する。朝から本道空の玄関口、新千歳空港で取材しているから、なおさらそう感じるのだろう。ごった返すマスク姿の旅客らはまるで、新型コロナウイルス感染対策と社会経済活動
安全やマナーを意識した健全なレジャーとして「釣り文化」の振興を図る取り組みが苫小牧で始まった。23日から土日・祝日限定で有料開放している苫小牧港・東港、通称・一本防波堤のことだ。 地元の釣り愛好者で組織する社団法人が、管理者の許可を得て先端500メートルを「釣り防波堤」として運営する。開放
国後島という名の島を初めて見たのはもう20年ほど前のことだ。オホーツク管内斜里町側から知床横断道へ入り、知床峠付近から巨大な島を見た。雪を頂いた羅臼山(888メートル)の大きさに驚いた。 北方領土の島々といえば、地図帳に大きさと形は描かれているものの、標高の色分けがなく白地図のように印刷さ
学生時代に元プロテニス選手の松岡修造氏の試合を観戦したことがある。まだ10代だったが「世界に通用する選手」と評判だった。 長身からの威力あるサーブは素人でも分かるほどの魅力。巷間(こうかん)で大きく話題になることはなかったが、すぐに頭角を現した。プロ入りすると、1988年には世界ランキング
わが家の隣の空き地に住宅が建ちそうだ。しばらく動きのなかった場所だが、着工が決まれば展開は早い。どんな人が越して来るにせよ、近所が活気づくのはうれしい。 その土地では2年前まで、隣町の男性が通いで家庭菜園を作っていた。農業経験者で、手入れの行き届いた立派な畑だった。家の前で洗車をしていると
「隠語」とは、特定の仲間の中だけで通じる言葉―と、手元の国語辞典。大手牛丼店の常務取締役が大学の講座で不適切な隠語を大盛りにして使い、役職を解かれた。 高校に入学した当時、隠語を常用する新しい友人と知り合った。先生は「センコウ」、友達は「ダチ」、大切な友人は「マブダチ」―。確かそんな言葉だ
穏やかな風が吹いた昨日の札幌。気温も上昇して23度を超え、まるで初夏のような陽気になった。通勤途中に見上げると木々も薄くピンク色に染まり始め、開花目前。間もなくサクラの季節を迎える。 道政が16年ぶりに交代した3年前の春を思い浮かべている。道政史上最長の4期、知事を務めた高橋はるみ氏(当時
春の暖かさに身も心も緩み始めたころに、ふいにやって来る寒気。「花冷え」とも言われるが、もう冬物の出番はないだろうと安心している。北上し始めた桜の便りに期待も広がる。 それでも少し気が重いのが高止まりが続く新型コロナウイルスの感染状況だ。北海道全体の感染者数が、もう千人超えは当たり前になり、
時事通信社が行った4月の世論調査によると岸田内閣の支持率は前月を2・4ポイント上回り52・6%。昨年10月発足以来の最高を更新した。 朝日新聞の調査では支持率はもっと高く55%。こちらも政権発足以来の最高だ。口べたの前任者との比較で数値が伸びているのかとも思うが、上には上があって、ロシアの
「つみたてNISA(ニーサ)って何」「iDeCo(イデコ)っていうのは」。以前、札幌で働く長女から聞かれたことがある。ネット検索すればすぐにも分かりそうなものだが、そうとは言わず、「なぜ(そんな質問をするのか)」と逆に聞くと、「何となく知りたかっただけ」と素っ気ない。おそらく職場の中で貯蓄や投資、
デマンドバスという言葉を耳にするようになった。デマンドは要求を意味し「○日○時に○○から△△まで乗りたい」といった予約に応じ運行するバスだ。人工知能(AI)が多様な経路や日時の希望を調整し、効率的に走る最適ルートを短時間で導き出す。 このバスを、胆振東部の厚真町は昨年6月から町内を運行する
東京に住んでいる孫の小学校入学式があり、家人のスマートフォンに数枚の写真が届いた。おいの長男も入学。めでたい出費が続いた。 ランドセルは2人とも黒。式の当日、重さに耐えられず玄関であおむけに転んだという騒動に大笑いした。孫は照れ症が進行中らしく、式の看板の前で奇妙に顔をゆがめて笑いを誘う。
地政学上の大激変となったソビエト連邦崩壊は1991年で世界のアイスホッケー分野にも大波を及ぼした。独立した旧ソ連邦構成各国がその2年後から続々と代表をつくって国際大会出場を始めた。 当時、この競技で以前から強豪だった旧ソ連の分裂について日本リーグ関係者に尋ねると「日本より上位国とライバル多
子どもや子育て世代から高齢者まで、あらゆる世代が「ごちゃ混ぜ」に集える拠点を苫小牧市内につくれないか―。苫小牧港開発の呼び掛けで市や商工会議所、金融機関、不動産会社が参加して1年間、まちづくりを考えた。 最初から「子育て」と「介護」に焦点を絞った検討会。意見が一致し、報告書に盛り込まれたの
「飽きないでください」。ロシア軍と凶暴な傭(よう)兵組織に攻撃され、非戦闘員の大量虐殺が次々と明らかになるウクライナの、世界への呼び掛けがテレビで紹介されていて胸に突き刺さった。 第2次世界大戦の終戦後に生まれ「戦争を知らない世代」として育った。現実には朝鮮戦争やベトナム戦争、中東戦争、イ
想像してしまった。ある日突然、ロシア軍が北海道に侵攻し、戦車やミサイルで街を破壊する光景を。ウクライナと同じような凄惨な事態がこの島で起きるはずがない。そう願いたいけれど、ニュースで取り上げられたロシアの政党党首の発言がとても気になる。 「一部の専門家によると、ロシアは北海道にすべての権利
最近、年を取ったと感じるようになった。耳が遠くなり、視力も衰えた。階段を上り下りする足取りは重くなり、先日は足を踏み外して数段下に転げ落ちた。幸いにもけがはしなかったが、体の変化に戸惑いもあるのだろう。失礼、17歳になる愛犬の話。人間で言えば、おじいちゃんだ。 そんな愛犬に昨秋、大変な思い