12月1日告示、同8日投開票の苫小牧市長選に出馬を表明している前市職員田村一也氏(49)は28日、公約を発表した。スローガンを「全ての人に希望ふくらむ故郷(ふるさと苫小牧)を」とし、福祉や子育て支援、社会インフラ整備など、大きく分けて八つのビジョンで提示。田村氏は「すべての人が参画できる、希望が持てる苫小牧を実現したい」と力を込めた。
田村氏の公約は、大きく分けて八つの「まちづくり」ビジョンとして掲げ、具体的に31項目の政策集としてまとめた。「全ての世代が住みやすいまちづくり」では、福祉分野の施策としてバリアフリー化やユニバーサルデザイン導入の推進、地域密着型の看護学部誘致などを盛り込んだ。
子育て支援に力を注ぐ「安心して子育てできるまちづくり」では、学校給食費の段階的無償化をはじめ、不妊治療に取り組む市民の心身の負担を軽減するため、相談窓口の開設や助成制度など支援策のさらなる充実を図る考え。「すべての子どもたちに平等な教育の機会を提供し、将来の苫小牧を育む土壌をつくる」と強調している。
「いつまでも住みやすいまちづくり」では、交通弱者の移動手段を確保するため、岩倉市政が廃止する方針を決めた市内路線バスの高齢者フリーパスも継続する方針。防災体制の構築や社会インフラの整備、港を核にした産業クラスター形成、雇用の創出なども掲げている。
また、JR苫小牧駅前の再開発も重視。新たな商業施設や文化施設を立ち上げるには、多額の整備費や財源確保が課題となるため、国や道からの支援も求めつつ「駅前を単なる通過点から、市民が集い、交流する場所へと変革する」とする。
市民参加型のまちづくりについても、市民参画を促すため情報公開に力を入れるとともに、市民の声を市政に直接反映する仕組みづくりなどを進める意向で、「市民が自分の意見や考えを表現できる機会を増やす」としている。
◇田村氏が掲げた公約
▽全ての世代が住みやすいまちづくり
▽安心して子育てできるまちづくり
▽いつまでも住みやすいまちづくり
▽市民が希望を持ち、活力あふれるまちづくり
▽地元企業をしっかり支え、この街で働き続けられるまちづくり
▽災害に強い街づくりと社会インフラの整備
▽苫小牧港を生かしたまちづくり
▽市民参加型のまちづくり