道新幹線札幌延伸 事業費6450億円見込み 国交省会議 総額2兆円超に

道新幹線札幌延伸 事業費6450億円見込み
国交省会議 総額2兆円超に

 2030年度末の完成を目指している北海道新幹線新函館北斗―札幌間をめぐり、国土交通省の有識者会議は7日、資材価格の高騰などで、事業費が約6450億円増加するとの試算を公表した。総事業費はこれまで1兆6700億円と見積もっていたが、2兆3000億円程度まで上振れする可能性がある。同省は今後、地元自治体やJR北海道などと費用負担の在り方を協議する方針だ。

   北海道新幹線の札幌延伸のため整備される新函館北斗―札幌間の工事は12年に始まった。有識者会議が同日まとめた報告書によると、約212キロの工事区間のうち8割をトンネルが占める。これに伴い、他の新幹線工事よりも多くの土砂が発生し、受け入れ地の確保や運搬などで約2700億円の費用が追加で必要となる。

   また、資材価格の高騰に加え、着工後の消費税率引き上げへの対応で費用が約2050億円増加。東日本大震災を踏まえた耐震工事などで約1340億円、追加の騒音対策などで約670億円それぞれ費用が膨らみ、コスト削減分の約310億円を差し引いても、総額で約6450億円増加すると試算した。

   北海道新幹線の同区間を巡っては、同省は今年9月末、着工から10年が経過してコストの増加が懸念されることを踏まえ、有識者会議を設置し、事業費の見直し作業を進めていた。