復旧事業「勇払東部地区」が完了 室蘭開建 厚真ダムと用水路 胆振東部地震

復旧事業「勇払東部地区」が完了 室蘭開建 厚真ダムと用水路 胆振東部地震

 室蘭開発建設部は22日、胆振東部地震で被災した農業水利施設の復旧を目指す直轄災害復旧事業「勇払東部地区」で、21日に災害復旧工事がすべて完了したと発表した。2018年度から23年度までの5年半で約423億円をかけ、厚真ダムと用水路で工事を行った。

   同部胆振農業事務所によると、胆振東部地震で、厚真ダムの周辺斜面が崩壊し、大量の土砂が貯水池内などに流入した。厚幌導水路などの用水路も管にひび割れが発生したという。工事は18年9月から始まり、崩壊したのり面や管理橋、用水路12路線の一部28・3キロで復旧作業を行った。

   厚真ダムは、22年度までに主要施設の復旧工事を終え、23年4~6月に試験湛水(たんすい)を実施。安全性を確認したが、河川管理者の道の検査を受けるため、水を放出した。農業用水は、下流の厚幌ダムから用水路に水を供給し、農業者へ届けた。厚真ダムは3月から水をため、24年度から供給を開始する。

   同事務所は「農業水利施設に甚大な被害が発生し、地域の方の不安も大きかったと思う。計画通りに事業が完了することができた」としている。