安平町は、二酸化炭素(CO2)の排出量実質ゼロを目指し1月に行った「ゼロカーボンシティ宣言」加速化のため、環境省の重点対策加速化事業に申請した。公共施設への太陽光発電や蓄電池の導入、公用車の電気自動車(EV)化などを実施する計画で、選定されれば地域脱炭素移行・再エネ推進交付金が受けられる。内示は4月下旬から5月上旬の予定。
26日に町役場で開かれた第2回町ゼロカーボンシティ推進協議会で明らかにした。同事業は地域ニーズを踏まえた重点事業を組み合わせた複数年の計画や取り組みに支援を行う制度。すでに全国110カ所が選定されており、道内では苫小牧、札幌など8市町が選ばれている。
町が15日に申請した計画は2024~28年度の5年間で、公共施設に太陽光発電設備や水素発電機を導入するほか、公用車の電気自動車化、EV充電器の設置などを通じ1万5643トンのCO2削減を見込む。
総事業費を9億6900万円、国からの交付金は5億3200万円と試算。差額分は民間で設立する地域エネルギー会社から電力を購入するなど、町の予算措置をできるだけ減らして脱炭素化を進める。また、町総合庁舎と早来公民館、スポーツセンター、早来学園を結ぶ地域エネルギーネットワーク「自営線マイクログリッド」を構築し、再生エネルギー設備や蓄電池を接続して災害時も停電しない仕組みをつくる。
会合で及川秀一郎町長は「ハードルが高いがチャレンジしたい。何か修正する必要があれば再び申請する」と述べた。ゼロカーボン北海道推進協議会の座長を務める北海道大学大学院地球環境科学院の山中康裕教授は「無理のない計画で、全体として今あるベストな形の導入」と評価した。