石破茂首相が衆院選を27日に実施する意向を表明してから初めての週末となった5、6両日、道9区(胆振・日高管内)に出馬を予定している立憲民主党現職の山岡達丸氏(45)、自民党新人の松下英樹氏(34)=道9区支部長予定者、党本部に推薦=、共産党新人の立野広志氏(67)の3氏は、大票田の苫小牧市を中心に事実上の選挙戦を展開した。首相就任から衆院解散・総選挙まで戦後最短の短期決戦となる中、3氏は態勢を整えつつ支持の拡大を図った。
政治の信頼取り戻す 立憲 山岡達丸氏
山岡氏は5日、MEGAドン・キホーテ苫小牧店前で街頭演説を行った。自民党の裏金問題や堀井学前衆院議員の辞職を踏まえ「9区は公職選挙法違反の舞台となった地域」と指摘し、「この地域から政治を変える。政治の信頼を取り戻すために戦う」と訴えた。
山岡氏は、衆院経済産業委員会でも取り上げてきた二酸化炭素を分離、回収、貯留、有効活用するCCUSや洋上風力発電、アンモニア混焼など、加速する脱炭素の動きに触れて「胆振・日高に国家プロジェクトを持ってきて、地元の皆さんに豊かさを分かち合う」などと力を込めた。
5、6両日は企業や団体、個人の支援者にあいさつ回りし、白老町の催しにも参加して支援を訴えた。
新しい挑戦 思い訴え 自民 松下英樹氏
松下氏は5日、自民党苫小牧支部の役員らと顔合わせを行った後、同支部長の板谷良久道議とイオンモール苫小牧前の国道36号沿いでマイクを握った。初の街頭演説で「子育て世代34歳、新しい挑戦を頑張っていきたい」と思いを訴えた。
施策の一つに掲げる地域産業の振興を強調し、苫小牧港をはじめ地域の可能性の高さをアピール。「世界でも戦える、競争力のある産業を国として支え、皆さんの賃上げにつなげる循環をつくる」と強調した。
衆院選立候補に向けて苫小牧に住居を移し、「苫小牧の地から日本を元気にしていく決意を新たにしている」とも。5、6両日は市内であいさつ回りし、イベントや行事にも参加して市民と交流した。
市民の暮らしを守る 共産 立野広志氏
立野氏は6日、決起集会を苫小牧市労働福祉センターで開いた。支持者ら約250人(主催者発表)を前に、立野氏は「自民党政治に対する特効薬は共産党が伸びること」と支持の拡大を呼び掛けた。
立野氏は、自民党の裏金問題に「国民に1円単位の税金を求めながら、自らは裏金を懐に入れている」と批判し、「共産党は清潔な党だからこそ疑惑を徹底解明できる」と述べた。
さらに胆振・日高地域について「自民党政治のゆがみがこれほど大きく影響している地域はない」とし、「市民の暮らし、平和、人権を守る」と意気込んだ。
この日は比例代表道ブロックに出馬予定の畠山和也元衆院議員も出席。登別市でも決起集会を開いた。