市民と社会つなぐ場に 表町に「社協ベース」が開設 苫小牧

市民と社会つなぐ場に 表町に「社協ベース」が開設 苫小牧
市社協のサテライトオフィスでボランティア活動に励む市民ら

 苫小牧市社会福祉協議会は10月末、駅前本通り沿いの空き店舗(表町2)にサテライトオフィス「社協ベース(仮称)」を開設した。職員が常駐し、生きづらさや日常生活を送る上で困難を抱える市民らの相談に応じる。地域住民の交流拠点や居場所としても機能させたい考えで、市社協の千寺丸洋総合支援室長は「気兼ねなく、ふらっと寄ってもらえるような場所を目指す」と話す。

   社協ベースは、雑居ビル1階の約73平方メートルの空き店舗に開設。洋品店が入っていた場所で、道路に面した南側には大きな窓があり、道行く人からも中が見える構造だ。カウンター席のほか、大きなテーブル席を配置。給湯室やトイレも備え、長い時間を過ごせる環境となっている。

   困り事を抱えている人の声に耳を傾けつつ、集まった市民との自然な交流を促すことで、孤立の解消や問題解決の糸口を探る場として機能させることが主目的。生活全般や人間関係、学校生活などさまざまな相談に職員が対応するほか、集まっておしゃべりをしたり、趣味の活動をしたり、ボランティア活動の簡単な打ち合わせをしたりと、市民に気軽に立ち寄って活用してもらえるような場にしたい考えだ。

   オープン初日の10月31日は、双葉町の住民らでつくるボランティアグループ「双葉だけボラの会」のメンバー6人が集合。市内の医療機関からの依頼で、患者が使用する蓄尿袋の布製カバー作りを行った。にぎやかに作業する様子を窓越しに見ながら、通り過ぎる人の姿もあった。

   「社協ベース(仮称)」の開設は、国が進める重層的支援体制整備事業の一環。同事業は一機関では解決が難しい複雑で複合的な困り事が全国的に増えていることから、地域にある既存の相談支援機能を生かして包括的に対応する体制づくりを目指す。市町村が実施主体となっており、苫小牧市が困り事を抱えている人と社会をつなげる場づくりを市社協に委託し、サテライト設置に至ったという。

   当面は週3日、午前10時~午後4時に開所。高齢者のみならず、若い世代や中高校生などにも活用してもらえるよう今後、さまざまな人の声を聞き、開ける曜日や時間帯などを検討する。

   千寺丸総合支援室長は「まずは好きなことを好きなようにできる場として、皆さんに自由に使ってもらいたい」と話している。

   問い合わせは市社協 電話0144(32)7111。