多文化共生指針素案まとめる 市、四つの視点で目標設定

多文化共生指針素案まとめる 市、四つの視点で目標設定

 苫小牧市は、地域住民と外国人が日常的に共生する社会を目指し、具体的な取り組みを示す「多文化共生指針」の素案をまとめた。四つの目標を軸に12の基本方針を掲げ、2025年度から3カ年で推進する施策や、目標値などを示した実行計画を盛り込んだ。

   同指針は、23年度に定めた「多文化共生ビジョン」に基づいて作成。▽住み続けたい地域づくり(ともに暮らす)▽主体性を持ち、活躍できる人材育成(ともに育む)―など、「暮らす」「育む」「働く」「輝く」の四つの視点で目標を設定。「安心・安全な暮らしの推進」「余暇活動の充実」「産学官協働の向上」「苫小牧の魅力の共有」などの基本方針を示した。

   10月22日に同指針策定会議を開き、委員は教育や子育ての充実を求める意見を出した他、外国人向けの情報発信ツールなど現状の課題を洗い出した。また、委員は「外国人が来たから準備をするのではなく、事前に環境を整えておくことが大事」との声を上げた。

   市は14日から12月13日まで素案に対する意見公募(パブリックコメント)を実施。寄せられた意見を反映させ、来年1月予定の同会議で改良案を提案する考えだ。都市再生アドバイザーとして参加する一般財団法人ダイバーシティ研究所の田村太郎代表理事は「土日の楽しみやキャリアアップなど、外国から来た人が苫小牧で自分らしさを出して暮らせると思ってもらえることが重要。市民が読んでも納得するような特色あるプランにすると、わが町感が出て良いのでは」と期待した。