ふるさとネイチャーらんど~勇払原野の自然~

外来種 生態系に悪影響

(2010年 5/28)

イラスト

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 5月21日の午後、勇払海岸周辺の湿地へ出掛け野鳥や昆虫たちの様子を観察してきました。

姿を見せたショウドウツバメ

 勇払海岸に到着し湿地に通じる道を歩いていると、ノビタキやオオジュリンがさえずる草原の上をショウドウツバメが飛んでいるのを見つけました。
  ショウドウツバメは背中が薄茶色をした雌雄同色のツバメの仲間で、白い胸に薄茶色のT字型の帯があるのが特徴です。姿を見せ始めるのは5月中旬ころからで東南アジアなどの熱帯から渡って来て子育てをします。
  ショウドウツバメが巣を作る場所は軟らかい土でできた川や池、沼の岸辺やがけなどで、コロニー(集団営巣地)をつくって子育てをします。
  巣はがけを横に掘り進んだ先に作られ、入り口は直径5センチから9センチほどですが、奥行きは1メートル近くになることもあります。
  ショウドウツバメ(小洞燕)というのは、がけや岸辺に小さな洞を作って繁殖することから付けられた名前です。巣作りは雌雄で2週間以上かけて行われ、巣が完成すると雌は産卵の準備を始めます。

生息範囲を拡大するセイヨウオオマルハナバチ

 草原でさえずる夏鳥たちの様子を観察しながら再び歩き始めると、フッキソウの花にセイヨウオオマルハナバチの女王バチが来ているのを見つけました。
  セイヨウオオマルハナバチは原野に生息するエゾオオマルハナバチに近縁のヨーロッパ産マルハナバチで、温室トマトの受粉昆虫として1992年ごろから輸入されてきました。しかし、輸入頭初から心配されていた野生化が96年の秋に門別町(現日高町)で現実のものとなり、生態系に悪影響を与える外来種として防除対策が急がれています。
  競争力が極めて強いとされるセイヨウオオマルハナバチが生態系に与える悪影響として心配されているのは食べ物や営巣場所をめぐる競争などによって在来種であるマルハナバチが衰退してしまうことと、野生植物の繁殖に与える影響などです。
  現在、セイヨウオオマルハナバチに対する対策として行われているのは、利用する農家への指導の徹底や野生化したものの捕獲駆除、情報収集などで、北海道や環境省では生息情報の提供や捕獲駆除への協力を呼び掛けています。
  セイヨウオオマルハナバチはエゾオオマルハナバチに似ていますが、腹部の先が真っ白い毛で覆われていることから区別することができます。

マダニに注意!

 湿地周辺での観察を終えて一休みしていると、ズボンの上をシュルチェマダニが上ってきているのを見つけました。
  シュルチェマダニは吸血性のダニで、衣服や皮膚に付いたものをそのままにしておくと皮膚に食い込んで吸血し始めます。
  山野へ出掛けた後にはダニが付いていないかどうか衣服ばかりではなく体も十分に見ておくことをお勧めします。もし皮膚に食い付いているものを見つけたら、食い付いて間もないものは指やピンセットなどで取り除くことができますが、時間がたって深く食い付いている時は無理に取り除くと口器が残って化膿(かのう)してしまうことがあるので、病院で取り除いてもらうようにしましょう。

(ゆうふつ原野自然情報センター・村井雅之、イラストも)

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