ふるさとネイチャーらんど~勇払原野の自然~

アビの仲間は陸上が苦手

(2010年 2/20)

イラスト

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 2月11日の午後、勇払海岸へ出掛け、厳冬期の海辺で越冬する海鳥たちの様子を観察してきました。

海上で潜水を繰り返すオオハム

 勇払海岸に到着し冷たい海風を受けながら海岸線を歩き始めると、岸からかなり離れた海上で潜水を繰り返すオオハムがいるのを見つけました。
  オオハムが属するアビ目アビ科の鳥類たちの繁殖地は、ユーラシア大陸の北部や北アメリカ北部など、北半球の寒冷地で、冬になると温帯の北部で越冬します。
  アビは体の作りが水上生活や潜水活動にとてもよく適応しており、足には大きな水かきがあって、足の位置は水上や水中で推進力を得やすいように体の最後部に付いています。そのためアビの仲間の潜水能力はペンギンの仲間を除くと鳥類の中で最も優れていて、水深80メートルぐらいまで潜ることができます。潜水している時のアビは、水の抵抗を減らすために翼を体にピッタリと付け、気嚢(きのう=肺につながる空気の袋)や肺、羽毛の間にある空気の量によって浮力を調整し、足だけで泳ぎ回ります。
  このように水上生活や潜水活動が得意なアビですが、陸上での活動はとても苦手です。足が体の最後部に付いているため、陸上では体のバランスが取れず、カモやハクチョウのように立ち上がることはできません。

波打ち際で食べ物を探すシロカモメ

 潜水を繰り返すオオハムを観察していると波打ち際で食べ物を探しているシロカモメが近づいてきました。
  シロカモメは国内で見られるカモメの中で最も大きく、背中は淡い灰色で、翼の先端(初列風切り)が白く、目が黄色、下くちばしに赤い点のある黄色いくちばしが特徴です。
  日本に飛来するシロカモメの繁殖地は北極圏やグリーンランドなどで、繁殖地で厳しい冬を乗り切るつわものもいますが、ほとんどは南下して越冬し、日本では九州よりも北の地域で9月末ころから春4月ころまで見られます。特に北海道と本州北部で観察例が多い傾向があり、勇払原野では海岸線や漁港のほか、鵡川や勇払川の河口などで見ることができます。

湾内で羽を休めるコオリガモ

 海岸線を離れて波の静かな港内で観察を始めるとテトラポットのそばにコオリガモがいるのを見つけました。
  コオリガモは、ユーラシア大陸と北アメリカ大陸の北極圏やグリーンランドなどで繁殖する海ガモの仲間で、日本では本州の北部と北海道で越冬する冬鳥です。
  越冬地では数羽から数十羽の群れで海上生活をしていて、港や内湾のほか、外洋に面した岩礁地帯周辺でも見ることができます。コオリガモの雄は長い尾羽と黒と白のコントラストのはっきりした体、そしてくちばしの先端部がピンク色をしていて目立ちますが、雌は茶褐色の部分の多い地味な羽色をしていて、あまり目立ちません。
  コオリガモのように尾羽の長いカモの仲間には、淡水に生息するオナガガモ(尾長鴨)がいて、英名でPintail Duckと呼ばれますが、コオリガモ(氷鴨)はLong tail Duckと呼ばれます。

(ゆうふつ原野自然情報センター・村井雅之、イラストも)

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