実はモグラに近い仲間
トガリネズミは、ネズミという名前が付いていますが、ネズミの仲間ではありません。ネズミがリスなどと同じげっ歯目に属するのに対し、トガリネズミはモグラなどと同じ食虫目に属します。
日本に生息している食虫目の動物はトガリネズミ科とモグラ科の19種類で、北海道に生息している食虫目はトガリネズミの仲間だけです。ちなみにトガリネズミという名前はネズミのように小さくて長く先のとがった鼻面をしているところから来ています。
トガリネズミたちが生息している場所は、落ち葉が厚く積もった林の中などで、小さな昆虫やミミズなどを食べて生きています。そのため、枯れ葉などの下や地面の中に潜っていることが多く、観察の難しい動物ですが、冬になると雪のトンネルから素早く出入りし、雪上を移動した痕跡をよく見掛けます。
地面の薄暗い場所で生活し、主に触角に頼って生活しているトガリネズミたちのコミュニケーション手段は音声です。野外で鳴き声を聞く機会は少ないですが、ほとんどの種類は採食縄張り(食べ物を得るための縄張り)から侵入者を追い出したり、同種間でけんかをする時、大きな金切り声を出すので注意していれば聞くことができます。
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よく見られる死骸
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トガリネズミと出合った観察路
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動物の死骸(しがい)は、キツネやイヌなどが食べてしまうことが多く、野外で見掛けることは、とても少ないですが、トガリネズミの仲間の死骸だけは、林道や観察路などでよく見掛けます。
理由はトガリネズミのおなかにあるジャコウ腺にあり、ここから出る強烈なにおいをキツネなどの動物が嫌って食べないためです。そのためトガリネズミの死骸を処理するのは、もっぱら臭覚の鈍いカラスなどの野鳥や昆虫たちです。 |
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勇払原野のトガリネズミ
北海道に生息するトガリネズミの仲間は5種類で、勇払原野にはヒメトガリネズミ、エゾトガリネズミ、オオアシトガリネズミの3種類が生息しています。
ヒメトガリネズミは名前の通り頭胴長(鼻先からしっぽの付け根までの長さ)58ミリ、尾長(しっぽの長さ)46ミリほどしかない小さなトガリネズミで、エゾトガリネズミはヒメトガリネズミに似ていますが、頭胴長78ミリ、尾長55ミリほどと大きいことで区別できます。ただしエゾトガリネズミの幼獣は小さいため、きちんと識別するには頭骨などを比較しなければいけません。また、オオアシトガリネズミは頭胴長97ミリ、尾長53ミリほどの大きなトガリネズミで、名前の通り前脚が大きいので、他の二種類と簡単に区別できます。
この3種類のうち、もっとも生息数の少ないのがヒメトガリネズミで姿を見ることはまれですが、ウトナイ湖周辺に生息していて時々死骸を見ることがあります。
ちなみに北海道に生息する残り2種類のトガリネズミはジネズミと最も小さなトウキョウトガリネズミ(体重2グラム前後)です。 |
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(ゆうふつ原野自然情報センター・村井雅之、イラストも)
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