だてじゃない
ハサミムシの仲間は名前が示す通り、おなかの先端にはさみを持つ昆虫のグループで、長くて平べったい腹部は自由に動き、捕まえようとすると、サソリのようにはさみを振りかざして威嚇します。
はさみは小さいですが、だてではなく、クワガタのように挟むことができ、外敵への威嚇や攻撃に使われるほか、種類によっては食べ物となる小さな昆虫を捕まえるのにも使われます。ただし、クワガタのように強力ではなく、指を挟まれても痛くなく、傷も付かないので安心してください。
ちなみにハサミムシの仲間は肉食傾向が強いのですが、小さな虫などのほか、植物の葉や花粉、果実なども食べます。
はさみの形は雄と雌で違い、雌のはさみは真っすぐですが、雄は湾曲していたり、大きな突起があって種類を調べる時に大切な目安となります。
ハサミムシの仲間はほとんど夜行性で昼間は落ち葉や石、朽ち木の下など目立たない所にいることが多いですが、日中に花や葉っぱの上などで姿を見ることもあります。
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母虫は子煩悩な主婦
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威嚇するハサミムシ
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社会生活をするミツバチやスズメバチなどを除き、ほとんどの昆虫は卵を産みっ放しで子育てをすることがありませんが、ハサミムシの母虫は立派に子育てをすることで有名です。
子煩悩な母虫は巣穴に産んだ卵を外敵から守り、子虫が生まれると食べ物を与えて丹念に世話をし、巣穴の掃除も怠らない立派な主婦です。
ハサミムシの母虫は子虫が生まれてしばらくは全く食べずに子育てに専念し、子虫がある程度成長すると食べ物を捕りに出掛けます。中にはコブハサミムシのように母虫は全く食べ物を取らず、獲物を捕りに行くこともなく、子供に自分の体を食べ物として与え、子育てをする種類もいます。ちなみに雄は複数の雌と交尾するだけで、全く子育てにかかわりません。 |
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害虫?
一見、サソリやゴキブリ、ハネカクシなどに似ているため害虫と誤解されることが多いですが、害は全く無いと考えてよく、中にはシロアリやイネの害虫であるメイガなどを好んで食べる種類もいて、益虫として扱われる場合もあります。そのため農薬の代わりにハサミムシの仲間を水田に放している東南アジアの国もあるそうです。
ただし、日本でも養蚕が盛んだったころには、カイコを食べる害虫として扱われたこともあります。ヨーロッパにはヨーロッパクギヌキハサミムシという種類がいて、こちらは農作物や果物を食害する害虫として現在でも厄介がられています。
最近、国内にはさまざまな外来昆虫たちが定着し始めて問題になっています。油断しているとヨーロッパクギヌキハサミムシも侵入してくるかもしれません。十分な注意が必要です。 |
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(ゆうふつ原野自然情報センター・村井雅之、イラストも)
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