企画・特集
新型インフル・第2波に備える
(中)保育園・幼稚園
(2009年 6/30)
元気に遊ぶ保育園の子供たち |
新型インフルエンザの影響は、子供を育てながら働く親たちにも及んだ。5月、感染者が増えた兵庫や大阪で取られた保育園の休園措置。保育園に子供を預け、働きに出ようにも、できない親が相次いだ。子育てを支える施設のかつてない事態。「対岸の火事ではない」と、苫小牧市内の保育園職員や保護者の間にも不安が広がった。
休園に伴い一番の問題は、子供の預け先の確保。仕事や出産など、さまざまな事情で利用している保育園が休園になっててしまうと、これに代わる場所が必要になる。
感染者の急増で一斉休園にした神戸市。父母が交代で仕事を休んだり、預け先を見つけようと駆けずり回る姿がテレビに映し出され、深刻な問題が表面化した。
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「利用者の親にとって保育園は、生活を支える重要な基盤。これを止めるのであれば、行政はそれ相応の事前の対策と、市民への協力要請を行うことが必要ではないか」。苫小牧市内の保育園の園長はそう指摘する。
国内で懸念されている秋以降の流行「第2波」。苫小牧地方にも新型インフルエンザの感染が広がり、患者が急増する事態になれば、市内の保育園や幼稚園も一気に休園措置となる可能性は否定できない。
もし、休園になってしまったら―。「仕事を休むのはちょっと無理」「自営業なので仕事を休めない。子供を預ける人もいない」。困惑の表情を浮かべる保護者は少なくない。
問題解決に向け、新型の流行で休園になった場合、子供たちを預かる体制を整えたり、受け入れが必要な子供の人数を事前に把握するなど、独自の取り組みを行っている自治体もある。
一方、苫小牧市。今のところ休園措置をめぐる課題の洗い出しなど、具体的な動きを見せていない。しかし、「休園措置でさまざまな問題が起きるだろう」と対策の必要性を認識し、「道の指示を受けながら、関係機関との連携でスムーズに対応したい」と話す。
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保育園、幼稚園、学校。これらの施設は、認可や認可外、私立、公立とさらに細かく分かれ、それを管轄する行政の担当課もそれぞれ異なる。これに伴い、新型インフルエンザに関する情報提供や感染予防のアドバイスなども、それぞれの担当課が縦割り的に行っている状況だ。
結果、行政から各施設を通じた保護者への情報伝達などは、保育園や幼稚園によって対応がまちまちになる問題も起きている。
苫小牧市内のある保育園は、新型ウイルスに関する保護者への情報提供を行っていない。別の保育園は、家庭での手洗いやうがいなど感染予防の励行を保護者用の園便りを通じて啓発した。
また、ある私立幼稚園は、厚生労働省など行政が出す情報に気を配り、いち早く保護者に発信している。一方で、認可外の保育園は「行政から何ら通知も情報も与えられていない状態。どうすればよいのか」と戸惑うばかりだ。
休園措置を取った場合に予想される問題点の把握と、子供の預け先の確保などセーフティーネットの整備。さらには縦割り的な情報提供の改善や、各担当課の横の連携―。感染拡大を防ぎ、子育て市民の混乱も招かぬよう、第2波に備えた対策が行政サイドに突き付けられている。


