企画・特集
公から民へ~公営バス 先進地の選択~
(5)新たな手段
(2009年 11/28)
コミバスは路線バスの代替になるのか=秋田市 |
秋田市では、民間移管(移譲)で路線が無くなることはなかったものの、路線バスからコミュニティーバスなどに手段が替わったケースは多い。事実上の路線バスの撤退。対象は不採算の郊外地域で、代替が「マイタウンバス」の運行だ。
市内で最も早く2005年10月からスタートした西部地域。市から受託した秋田中央交通の子会社が、中型のバス(35人乗り)を使い、3路線運行する。
市と事業者、住民代表で組織する市マイタウンバス西部線運行協議会の相場義信会長は「車両は小さくなったが路線廃止は無く、代替バス運行となった今も不満は無い。路線維持は、行政に粘り強く地域の思いを伝えていくことが大事だ」と話す。
3路線の運行経費は路線バスの運行時(05年度)に比べ、06年度は2300万円減の約5000万円と大幅に減った。路線全体の赤字額も1500万円減の約3000万円まで圧縮した。
しかし、乗降客は06年度の15万7000人から08年度は13万1000人まで落ち込み、それに伴って運行経費は増え、赤字幅も拡大傾向だ。
利便性
一方、北部地域は08年からタクシー会社が、予約式乗合タクシー(9人乗り)を運行。ただ、1時間前の予約と、市中心部に行くには乗り継ぎが必要だ。
雨天時の通勤に利用する40代の女性は「不採算でも朝夕1便ずつの運行はしてほしい。予約のやり直しは携帯電話を持たない高齢者は不便で、乗り継ぎも冬場は大変」と訴える。
市マイタウンバス北部線運行協議会の永田賢之助会長は「高齢になり、公共交通が不便であればマイカーを買い替えるかどうか悩んでいる」と吐露する。
路線バスの代替になるマイタウンバス。採算性とサービスのはざまで揺れている。
岐阜市内の公共交通手段は路線バスと、もともと交通手段がない「交通空白」地域に走るコミュニティーバスの2種類だ。コミバスは岐阜バスと日本タクシーの2社が市から委託を受け10地区で運行中。今後、16地区まで拡大する計画。
市は路線バスと乗客の食い合いにならないようすみ分けを行い、コミバスから路線バスへ乗り換えできるよう路線を工夫。運賃も100円に抑え、交通空白地帯の住民の足を確保している。
ただ、コミバスの収支は決していい状況にはない。市の補助額は地区で1億2000万円。受託する岐阜バスは「コミバスは経費の3割を収入で得られれば優秀と言われている。単独では採算は合わない」と話す。
代替の検討
岐阜大学の竹内伝史教授は「コミバスも路線バスも利用者にとっては同じ足。あえてすみ分けせず、公共交通手段として、路線バス政策の同じテーブルで検討する時期にきている」と路線バス見直しとコミバス導入の共同作業の必要性を訴える。
市内では岐阜バスが不採算路線の廃止を市に打診するなど、路線バスをめぐる環境がかなり厳しくなっている。市は、現段階でコミバスの役割を変更する考えはないものの、路線バスへの補助金が増え続けていく場合、路線バスの代替策の選択肢としてコミバスの導入を示唆する。


