企画・特集

2009 この1年

(9)新型インフルエンザ猛威

(2009年 12/23)

 世界中で感染が広がった新型インフルエンザ。東胆振地域でも学級閉鎖やイベント自粛が相次いだほか、休日当番医に患者が押し寄せるなど、猛威を振るった。医療機関は二転三転するワクチン接種スケジュールに翻弄(ほんろう)され、行政の衛生政策に課題を残した。

 苫小牧保健所管内(東胆振1市4町)の初の感染確認は7月11日。その後、夏休み明けの学校を直撃する。8月下旬に苫小牧市内の高校で集団感染が確認され、小中学校にも急拡大していく。学級閉鎖などの対策をとった小中学校は38校(18日現在)に上り、授業時間数を確保するため、やむなく冬休みを短縮する学校もある。

 ドラッグストアや薬店からマスクが消えた。旅先での感染を警戒して、旅行代理店に予約キャンセルが相次ぎ、感染した従業員を自宅休養させる企業も出た。多くの人が集まるイベントは自粛した。

 苫小牧市夜間・休日急病センター。10月10~12日の3連休に約700人が受診した。18日の日曜日にも285人。移設オープン以来、最多だった。

 センターは担当医を3人に増やし、苫小牧市医師会も、内科の休日当番医を急きょ2カ所にした。医師が素早く対応し、患者の待ち時間を最小限に抑えることができた。センターのリニューアルもタイミングよかった(苫小牧保健センター事務局)ようだ。

 遅れたワクチン接種。揺れる国の方針に、医療現場は混乱した。予約直前になっても、医療機関に入荷量の情報が入らない。「どれだけワクチンが届くか分からないのに、予約を取れるのか」。接種スケジュールが変わるたびに患者への周知に追われた。「患者に『この日に接種できる』という責任ある予約を取れないことがもどかしかった」。医療機関は嘆いた。

 新しいウイルスの登場という特殊な事情だったかもしれない。国は戸惑った。後手後手の対応にそう見えた。苫小牧保健所のインフルエンザ警報は22日に解除された。