企画・特集

2009 この1年

(3)雇 用

(2009年 12/16)

求職者で込み合う苫小牧公共職業安定所

 職を求めて、苫小牧公共職業安定所を訪れた50代の男性は、パソコンの求人画面を見詰めながら深いため息をついた。「求人が減った。不景気が身に染みる」

 昨年9月、米国の大手証券会社リーマンブラザーズの経営破綻(はたん)が、世界的な経済活動の落ち込みにつながった。100年に1度と言われる経済不況を乗り切ろうと企業側は、生産を縮小したり、従業員を解雇するなどの防衛策に走り、新たな雇用を生み出す力をなくした。

 1~10月に、苫小牧職安を訪れた求職者は1万4891人。昨年より11.8%も多い。事業縮小やリストラで職を失った非自発的離職者は月を追うごとに増えた。4382人、56.3%増だ。

 一方、新規求人数は11.7%減少の8508人。ほぼすべての業種で、前年を下回っている。増え続ける求職者。伸び悩む求人数。昨年9月に0.52倍だった有効求人倍率は、徐々に下がり続け、5月に0.3倍を割る0.27倍となった。

 2010年1月には、イトーヨーカドー苫小牧店が閉店し、パート従業員150人以上が失職する。職安職員は「当面、雇用情勢の好転は見込めない」と話した。

 来春、高校を卒業する高校生にも厳しい風が吹いている。

 10月末までに苫小牧職安管内(東胆振と日高町、平取町)の17高校に届いた求人は、607人。前年より36.5%下回る。管内の高校生の就職率も43.6%と、3年ぶりに50%を割った。

 「とにかく求人が少なく、仕事を探すのがとても難しいです」

 苫小牧市内の高校を来年卒業予定の男子高校生は、こう漏らしてため息をつく。今秋、市内の企業の採用試験を受けたが結果は不採用。就職活動を続けているが、希望の仕事が見つからず不安の日々を過ごしている。一人息子のため「できれば地元で就職したい」と話す。市内各高校の進路担当教員らも「生徒や親の地元志向が強くなっている」と口をそろえる。

 しかし、市内のある高校関係者によると、昨年は約440件だった道外の求人数が、今年は220件と半減。このため、高卒者が市内や管内の求人に殺到し、もともと難関だった地元での就職がこれまで以上に難しくなっているという。

 高校教諭は「就職は一生にかかわる大きな問題。1月は生徒が希望を持てるような求人が増えるといいのだが」と話している。新年に望みをつなぐ。