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丸井今井苫小牧店の閉店直前、食料品売り場は連日大混雑が続いた=23日
 丸井今井苫小牧店の閉店で、JR苫小牧駅周辺商業地域の求心力低下は否めない。さらに、駅南口正面に立地する商業ビル・サンプラザのキーテナント、ダイエー苫小牧店(南方宏幸店長)が11月末に撤退する。中心市街地の空洞化に拍車が掛かるだけでなく、鉄南地区で生鮮食料品を購入できる大型店が姿を消すという深刻な事態に見舞われる。
 丸井今井の再建計画で苫小牧店閉鎖問題が浮上した際、地元商店街振興組合は「まちが壊れる」と危機感を持ち、本来なら商売上のライバルであるはずの百貨店存続へ、署名集めに奔走した。
 最近、苫小牧市内では大型店の郊外進出が急速に目立ち、それに呼応するように新たに商業施設や金融機関の集積が進んでいる。人の流れも大きく変わりつつある。
 その一方で、JR苫小牧駅周辺の中心市街地の空洞化は深刻だ。それに追い打ちを掛ける丸井今井とダイエーの撤退は、中心部が担ってきた商業機能の一角が大きくそがれることを意味する。
 こうした事態に駅を挟んで北口に位置するイトーヨーカドー苫小牧店と長崎屋苫小牧店は、サービス向上や品ぞろえを見直している。「交通の便の良い駅周辺の小売店に、高齢者や地域住民のニーズはある」とし、丸井今井やダイエーを利用していた消費者の取り込もうと、即日配達サービスなどに力を入れる。
 しかし、生鮮食料品を取り扱う大型店が姿を消す鉄南地区住民の不安は大きい。一区、二区町内会や王子ふたば中部会を対象に19日、開かれた市政懇談会で「高齢者が多く、車での買い物が困難な人もいる。早期の食料品店誘致を」との要望が相次いだ。また、28日に鉄南の7町内会と駅前の3商店街振興組合が苫小牧市に、駅南口への食品スーパー誘致の陳情書を提出。生活する上での不便解消を訴えた。
 地域には単なる不便解消だけでなく、百貨店がなくなることに危機感を示す声も大きい。丸井今井の元テナントは「百貨店とスーパーでは並んでいる商品のレベルが違う。専門店や個店ではカバーし切れない、一クラス上の総合的な生活提案をできるのが百貨店。百貨店喪失は文化的にも、街にとってもマイナス。行政や議会は責任を問われても仕方がない。むしろ今こそ問うべきでは」と手厳しい。
 苫小牧市は今後、百貨店がない、不便なまちと見られてしまうのか、百貨店がなくても魅力的なまちに進化できるのか。まちを育てていく行政、商業者、住民の意識が問われていく。(この企画は政治経済部・今成佳恵が担当しました)

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苫小牧民報社