特集

ウトナイ湖サンクチュアリレンジャー通信

声でマガンの渡来を初確認 春の気配は突然に

(2017年 3/3)
昨年の「あかつきに雁を見る会」の様子

昨年の「あかつきに雁を見る会」の様子

 昨年東京から来た私にとって、初めて体験する厳しい冬。やっと少し慣れたかなと感じ始めていた2月15日夕方のことです。仕事を終え、ネイチャーセンターから外へ出ると、湖の東の方から、「キャハハン・キャハハン」という甲高い声が聞こえました。

 「マガンが春の渡りで早くも飛来したのか」と思いながらも、真冬仕様となっている私の脳は一瞬混乱を起こし、再度耳を澄ませてやっと「やはりマガンの鳴き声だ」と確信。急いで引き返し、大声で「マガンの声…」、その後小声で「…だと、思います」と館内に向かって叫びました。その途端、奥にいた小山レンジャーが飛び出してきて耳を澄まし、続いて出てきた瀧本レンジャーと共にマガンの渡来を声で初確認しました。

 翌日早朝、私たちは調査のため、自然観察路で夜明けを待ちました。凍える寒さの中で聞こえるマガンの声は、どこか春の訪れを感じさせるのでした。そして空の色が変化し始めたころ。何かに驚いた一部のマガンを筆頭に、ほぼすべてのマガンが飛び立ち、ついに姿を確認できました。その数は数百羽。思ったより早い時刻の飛び立ちに驚きつつ、冷静に数を数える(750羽前後だったそうです)。瀧本レンジャーの横で、私はカメラのシャッターを切りました。マガンの群れは、湖上空を回った後、東の方へ飛んでいきました。

 主に本州で越冬し、繁殖地のロシアへ渡る途中に、ウトナイ湖を中継地として利用するマガンは、明け方に湖を飛び立ち、周辺の田畑で採食し、夕方に湖へ戻り夜を過ごします。つまり、春のウトナイ湖で観察できるのは早朝と夕方なのです。

 ネイチャーセンターでは、3月にこのマガンの渡りを観察するイベントを開催します。18日(土)午後5時からの「たそがれに雁(がん)を見る会」、26日(日)早朝5時からの「あかつきに雁を見る会」です。詳しくはお問い合わせください。そして3~4月の開館日(土、日曜日・祝日)は、館内で「雁のいろいろアート展」を開催中。こちらにもどうぞ、足をお運びください。

(日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリ・和歌月里佳レンジャー)



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