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冬季アジア大会IH総括

(下)強い危機感 強化は正念場

(2017年 3/2)
試合後、悔しさをのぞかせる日本代表のメンバー=2月26日

試合後、悔しさをのぞかせる日本代表のメンバー=2月26日

 鈴木新監督の下、2大会ぶりの優勝を目指した男子アイスホッケー日本代表だったが、待っていたのは厳しい現実(3位)だった。

 敗因にはさまざまな要素があるが、完全な準備不足は否めない。少なくとも昨秋の韓国平昌五輪最終予選時は直前2週間以上の強化合宿を組み、本番では格上相手に張り合う場面があった。しかし今回に関して言えば、初選出の顔触れもいる中で代表チームが集合したのは大会開幕3日前の2月16日で、全体の練習ができたのは数えるほど。実力で格下の中国には圧勝できたが、韓国には押し切られ、優勝したカザフスタンには手も足も出なかった。

 五輪出場で脚光を浴びる女子とは対照的に、男子は「悔しい」の連続が続いている。昨春の世界選手権ディビジョンⅠグループA(2部相当)で1勝も挙げることができず、6カ国中最下位でグループB(3部相当)へ降格。最終予選では3戦全敗に終わった。5年後の北京五輪へ再出発と位置付けた今回の冬季アジア大会だったが、史上最悪の結果に終わった。

 かつて圧倒的に力の差があった韓国とは、この1年間で3連敗と形勢が逆転した。長期プランで自国開催の五輪に向けて着々と強化が進み、現在のアジアリーグを見ても、アニャンハルラが独走態勢で3季連続のレギュラーリーグ1位に大きく前進。「韓国は年々良くなっているし、組織的な力も付いている。また同じ結果になると言うことは、自分たちが成長していないということになる」(FW田中主将=東北フリーブレイズ)。今回4位の中国も2022年の北京五輪に向けて、今後の動向が注目される。

 そうした中で日本の立ち位置はどうか。DF蓑島(中大)や中国戦のハットトリックでフル代表デビューを果たしたFW古橋(栃木日光アイスバックス)、果敢に相手に向かう姿勢を見せた寺尾勇(同)ら若い選手が今回名を連ね、可能性を感じさせた部分はある。しかし、相次ぐ監督の交代や先の見えない将来展望、思うように強化が進んでいない部分も見え隠れする。

 鈴木監督は「先を見据えた若手の強化、育成など長いスパン、プランを立てて進まなければ。その中でベテランも含め、どの選手が世界で戦いたいのか、戦えるのかを探っていく」と話し、最年少で代表入りを果たした蓑島は「これから日本が取り残されないように、連盟がどうとかではなく、選手が努力してやっていかなければいけない」と語気を強めた。

 4月に控える今年の世界選手権では、世界ランクで格下の位置にいる国が相手になるが、FW久慈(王子イーグルス)は「自分たちもそのレベルだと受け止めて臨まなければ」足をすくわれかねないと危機感を強める。活路を見いだし、崖っぷちからはい上がることができるか―。正念場を迎えている。

(石川鉄也)



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