千歳・恵庭

「千歳っ子見守り隊」発足から今年で11年目 我孫子の事件に憤り

(2017年 4/20)

朝の通学路で児童の登校を見守る長森さん=20日午前8時ごろ、新富1の交差点

 千歳市内小学校の通学路で児童の登下校を見守る「千歳っ子見守り隊」は今年で発足から11年目を迎えた。毎朝夕、緑色の帽子とベストを身に着け、通行する児童の安全に気を配る姿が各所で見られる。先月、千葉県我孫子市で小学3年の女子児童が遺体で見つかった事件で、通学路の見守りに参加していた保護者会会長の男が死体遺棄容疑で逮捕されたことが、善意のボランティア隊員たちの心に暗い影を落とす。取材すると「大人同士の一層のつながりが必要」との声が上がった。

 信濃小PTA役員を務め、週2~4日ほど見守り隊の活動を行っている理美容室経営の長森聡さん(43)は、容疑者逮捕のニュースを目にして「血の気が引いた」と言う。事件の被害者と同じ小学3年の子を持つ親であり、ショックと信じられない気持ちが入り交じった。

 通学路に立つ朝は、いつも顔を合わせる児童と明るくあいさつを交わす。「最初は恥ずかしがって応えてくれなかった子も、何度も声を掛けるうちに応えてくれるようになる」と喜びを語る。しかし「あんな事件があっては、大人が信じられないと思われても仕方がない」。

 見守り隊は、各小学校に登録したボランティアが隊員の証しである帽子とベストを支給され、活動できる日に自主的に近所の交差点などに立つ。活動日や場所は隊員同士で話し合って足りない部分をカバーし合うこともあるが、基本は「各自ができる範囲で」を前提としている。

 長森さんは「こんなときだからこそ大人同士のつながりが大事。二度と悲しい事件が起きないように、横の連帯をつくって情報を共有していく仕組みが必要な時期かもしれない」と活動の在り方を見詰め直す。

 同校区の富士町内会会長を務める村上松夫さん(80)は、見守り隊の発足当初から活動に参加している。事件の容疑者逮捕後、同じ町内の隊員とこんな言葉を交わし合ったと言う。「子供たちがこちらを見る目が変わってしまうんじゃないか。親にも不信感が生まれるかもしれない。肩身が狭いね」

 同町内をはじめ、多くの地域で見守り隊の活動を支えているのは70~80歳代の隊員。PTA役員が見守り隊の活動を行っている学校もあるが、大部分は仕事を退職した高齢者で、年々高齢化が進む。

 市全体の登録数は現在、約900人。ピークは見守り隊発足の翌年、2007年で約1300人。10年間でおよそ3割減少し、新規登録者もなかなか確保できていないのが現状だ。

 村上さんは「この町内では7人で交代しながらやっている。みんな学校に自分の子供も孫もいない人たちだが、誰かがやらなければならないと頑張ってくれている。あんな事件のせいで白い目で見られたらみんなやめてしまう」と危機感を抱く。

 「毎朝、子供の元気な顔を見られるのが一番。こちらも元気をもらっている。絶対にあんなことがあってはならない。だから、大変だけれど(見守りを)続けていかなければ」



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