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17年度もモデル地域でごみ収集検証 ”戸別”の評判上々

(2017年 4/19)

苫小牧市内で試験的に進められている戸別収集。利用者には好評だが、業者から負担増の声も

 苫小牧市は高齢化社会の進展などを見据え、昨年7月にモデル地域で試験的に始めた「家庭ごみ戸別収集」を2017年度も展開する。モデル地域の住民アンケート結果によると、回答者の7割が、ごみ出しの負担軽減につながる戸別収集を歓迎。一方、収集業者からは業務の負担増を指摘する声も上がり、市は17年度の試験実施を踏まえ、全市的な導入が可能かどうかなどを判断したい考えだ。

 戸別収集は、各家庭が自宅の玄関先に出したごみを収集業者が戸別に回収していく方式。市は青雲町、新富町、新開町、勇払など14地域(計約5000世帯)の戸建て住宅を対象にしたモデル地域を指定。希望する世帯にごみを入れるバケツ型容器(容量45リットル)を配布した上で、昨年7月から試験的に始めている。

 モデル地域の住民からの評判は上々。本町町内会の戸田博会長は「高齢者が多い地域なので、戸別収集を喜んでいる人は多い。今年の冬は路面が凍結して滑りやすい状況だったから、自宅前にごみを置くだけでいい戸別収集には助かった」と高く評価する。

 市が昨年11月から今年1月にかけて行った戸別収集の利用者アンケート(回答者数1740人)では、戸別収集になって「良かった」と答えたのは69・4%に上った。利点としては「ごみ出しが楽になった」「猫やカラスの被害が減った」「地域でのごみ不法投棄が少なくなった」という意見が目立った。

 ごみの分別など出し方に関する質問で、以前より注意して出すようになったと答えた人は66・2%。マナー意識は年齢が上がるほど高くなる傾向を示し、70代以上では9割を超えた。また、3割程度が「ごみ量が減った」と答え、戸別収集に一定の効果が出たことが分かった。

 一方、収集業者からは負担増の声が上がる。複数の家庭が利用する通常のごみステーション方式では、収集車で移動しながら回収できるが、戸別収集は自宅前のごみを1軒ずつ集めていくため、業務量は増大。作業員は収集車に乗らず、歩いて回収しなければならない状況で、体力的負担も重いという。

 市内の業者9社が加盟する苫小牧廃棄物協同組合の柴崎誠事務局長は「戸別収集の地域によっては、作業員が約20キロも歩いて作業する場合もあり、負担は大きい」と指摘。本格導入となれば、回収エリアの拡大で新たに収集車を増やす必要性も生じるため、「車1台に付き、運転手や作業員の3人が必要。現状でも人手確保に苦労する中、車を増やすため、人を募集しても集まるどうか不安だ」と言う。

 市は、本格導入の可能性について、試験実施に取り組みながら検証していく方針。市環境衛生部の西田浩一部長は「利用者の反応は上々だが、業者負担が増えているのも事実。費用対効果を見極めるため、もう少し時間をかけて検証したい」と話している。



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