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年度内に営業運転 苫小牧バイオマス発電

(2017年 1/10)

苫小牧市晴海町の木質バイオマス発電所について説明する塚田社長

 三井物産(東京)など4社の共同出資で設立した「苫小牧バイオマス発電」(塚田洋平社長)は、苫小牧市晴海町に建設した木質バイオマス発電所の営業運転を2016年度内に開始する。燃料の木質チップは道内の森林整備で発生した間伐材などを活用する計画で、現在、試験運転を進めている。発電所の稼働を通じて林業振興にも役立てたい考えで、付加価値の高い再生可能エネルギービジネスを目指す。

 同社は14年10月に三井物産が40%、住友林業(東京)と北海道ガス(札幌)、イワクラ(苫小牧)が各20%出資して設立。15年5月に発電所建設に着手し、運転制御室、ボイラー施設、タービン発電機施設などすべての工事を昨年11月までに終え、12月から本格的な試験運転に乗り出した。さまざまな運転条件で試験を繰り返し、緊急時の停止手順の検証もしている。

 発電所の最大出力は約5900キロワット。1年間にフル稼働で一般家庭約1万世帯分の年間使用量に相当する電力を発電し、全量を北ガスに供給。北ガスが一般家庭に販売する仕組みだ。

 バイオマス発電は、生物資源を燃料に使う発電法。樹木は成育段階で二酸化炭素(CO2)を吸収・固定しているため、発電所の燃料に活用される際にCO2を排出しても、トータル的に大気中のCO2量を増やさない再生可能エネルギーとして位置付けられている。

 同社のバイオマス発電所では、燃料の木質チップを輸入材に頼らず、道内の三井物産の社有林の他、国有林や道有林、民有林の森林整備で発生した間伐材や低質材を有効活用する地産地消型。塚田社長は「建材にも利用しにくかった間伐材などを使うことで林業をはじめ、運送業界の新たなビジネスにもつながれば」と意欲を見せる。

 エネルギーの固定価格買い取り制度上、燃料に間伐材を活用することで、建設廃材、輸入材などを利用するより販売価格を高く設定できるため、高い収益性にも期待を寄せる。既に今後2年弱の稼働に対応できる燃料用の木材を確保し、「木材は森林経営計画がある森林から調達し、北海道の森を生かすことを大切にしていきたい」と言う。

 今年度内に営業運転の開始を目指しており、塚田社長は「事業が軌道に乗れば、バイオマス発電の仕組みについて市民に理解してもらうPR活動をはじめ、地元雇用をもっと考えていきたい」としている。



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