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PCB汚染土壌やコンクリート処理 16年度に実証実験-JX金属苫小牧ケミカル

(2016年 1/13)

 有害化学物質のPCB(ポリ塩化ビフェニール)の低濃度廃棄物焼却事業を展開するJX金属苫小牧ケミカル(苫小牧市勇払、米田寿一社長)は2016年度、PCBで汚染された土壌やコンクリートくずを処理する事業の認可に向けた実証試験を計画している。環境省による事業認可手続きなどを経て、17年度下期にも事業を開始したい考えだ。

 PCBは1972年に製造や使用が禁止され、国は保管事業者に2027年3月までの無害化処理を義務付けている。国内ではトランス(変圧器)の絶縁油に多く用いられており、使用禁止後も工場などに廃棄物として保管され、未処理のものが少なくない。

 同社は道内で唯一、環境省の事業認可を受けて、14年3月から濃度0・5%以下の低濃度PCBを処理している。15年度に施設を増強し、1日当たりの最大の処理能力を6トンから12トンにアップ。従来の小型トランスに加え、昨年9月から大型トランスやコンデンサー(蓄電器)、PCB含有塗膜が付着したガードレールなどの金属くずの処理も行っている。

 PCB汚染土壌やコンクリートくずの処理は、低濃度PCB処理とは別に環境省の事業認可が必要。現時点で、道内に処理できる事業所は無い。

 全国では、老朽化した工場などを解体、建て替えする際に施設や土壌がPCBに汚染されているケースがある他、トランスを運ぶ際、落下させるなどし、床を汚染してしまう事例もあり、処理事業には一定の需要があるとみられる。

 加えて、国が全額出資する室蘭市の中間貯蔵・環境安全事業北海道PCB処理事業所が27年3月に高濃度PCB処理事業を終了。その際、施設を解体して室蘭市に更地の状態で返還することになっている。施設内でPCBに汚染されたコンクリートや土が出てくる可能性があり、米田社長は「その処理を(近隣の)苫小牧で行えれば双方にメリットがある」と語る。

 事業認可には、施設の処理能力や排ガスに含まれる物質が環境省の定めた基準を満たすことが必須条件。実証試験から認可まで、少なくとも1年程度かかるとみている。

 この他、同社は16年度、約3000万円を投じ、トランスの解体設備を設ける。現在の施設で処理できるトランスの寸法は幅、奥行き、高さとも1・5メートル以内。高さが2メートルを超える大型のトランス処理は、外部の専門業者に解体工程を委託してきた。

 設備が完成すれば、トランスの解体処理を自前で行えるようになる。設備は既存の建屋を一部改修して設置。併せてトランスを一時保管する物置場を既存の約34トンから68トン対応に拡張する考えだ。



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