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| 「一日一日が刺激的」と話す嘉藤さん |
苫小牧市北光町の会社員、嘉藤嘉昭さん(64)が、高校生活を楽しんでいる。今春、苫小牧工業高(伊藤茂樹校長)定時制に科目履修生として入学した。
苫小牧市出身。苫小牧東高卒業後、東京の短大を経て電気通信関係の会社に就職。30年前、地元の商社に移り、現在は鉄鋼製品を販売する部門のシニアマネージャーとして後進の指導に当たる。
「またあのころのように学校で勉強がしたい」。還暦を迎えた4年前に夢が芽生え、定年退職はせず、会社にとどまりながら温め続けてきた。
科目履修生は、今年度から新しく導入した制度。嘉藤さんはその第1号となった。卒業を目的とせず、普通、専門を問わず学びたい教科を自由に選択し、単位取得する仕組みだ。国、数、社、理、英の普通教科5科目を選んだ。平日の5日間、退社後、毎日学校へ通う。「授業で数学の公式なんかを習うと『ああ、そうだった!』と思い出す時が一番楽しい。毎日の勉強がとても刺激的です」と嘉藤さん。
夢を追いかける64歳には心強いサポーターがいる。孫で小学2年生の奈緒ちゃん(8)だ。「孫がよく宿題を教えてほしいとやって来るんですが、今と昔ではだいぶ解き方が違うようで…。だから孫に勉強をちゃんと教えられるようになることが夢」と話し、「孫の存在が通学への決意を後押ししてくれた」とも。
クラスメートは、ほとんどが10代。孫ほど年の離れた若者たちに溶け込もうと、学校祭や炊事遠足などの行事へも積極参加。世代の壁を自ら取り払い、学友としてきずなを深めている。「同級生と卒業式へ出たい。彼らが卒業する4年後まで通えたら―」。シニア高校生の挑戦は、まだ始まったばかりだ。